10月に読んだ本です。次回の部活で返却する本(★印)は持って行きます。
その他の本は読みたいと思ったらLINEでリクエストください。予約も可能です!

 

活版印刷三日月堂 海からの手紙 (ポプラ文庫)

★活版印刷三日月堂 海からの手紙 ほしおさなえ

小さな活版印刷所「三日月堂」には、今日も悩みを抱えたお客がやってくる。店主の弓子が活字を拾い、丁寧に刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった想い・・・。活字と言葉の温かみに、優しい涙が流れる。シリーズ第二弾

 

年齢性別さまざまな人が、色んな悩みを抱えて印刷所を訪れる。自分に自信を持てず悩んでいた女性が仲間との朗読会のためのパンフレットを印刷。教師をしている朗読会メンバーの生徒の少年は、生まれてすぐに亡くなった姉がいたことを知らずに過ごしていた。その存在を両親から聞いた少年は印刷所で姉の名前だけの名刺を印刷する。銅版画の作成を封印していた女性は、親戚の少年からもらった亡き姉の名刺をきっかけに印刷所を訪れ、店主と一緒に豆本を作成することになり、再び銅版画の作成を再開する。病気で退職したことで家族がバラバラになりかけた男性は、豆本マーケットで最後の一冊となった豆本を購入。亡き父と交流のあった印刷所を訪れる。過去の父と自分の関係を、自分と息子の関係に重ね合わせ。父の最後の望みだった本の印刷に向けて動き出す。あー、やっぱりこういう話っていいね。

 

 

砂の女 (新潮文庫)

★砂の女 安部公房

砂丘へ昆虫採集に出かけて男が、砂丘の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中に引き留めておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。土キュメンタルな手法、サスペンス溢れる展開の中に人間存在の抽象的姿を追求した書き下ろし長編。

 

どうにか逃げようとし、一度はチャンスを掴むが、結局再び連れ戻され、そこからは次第に砂の中の生活に馴染んでいき、ついには女に子供が・・・。しかし、子宮外妊娠のため女が運び出され梯子がそのままに。逃げるチャンスがあるにもかかわらず男は逃げようとしなくなっていた。

これは順応というのか、洗脳というのか・・・。読んでいると、気持ち悪くて怖くなる。

 

 

銀河鉄道の夜 (角川文庫)

★銀河鉄道の夜 宮沢賢治

漁に出たまま不在の父と病がちの母を持つジョバンニは、暮らしを支えるため、学校が終わると働きに出ていた。そんな彼を学友達はからかうが、カムパネルラだけは優しかった。ある銀河の祭りの夜、草むらに寝転んで星空を眺めていたジョバンニは、不思議な声と明るい光に包まれたかと思うと、銀河鉄道に乗っていた。隣にはカムパネルラ。2人の幻想の旅が、いま、始まる・・・。

 

活版印刷三日月堂の話の中に「銀河鉄道の夜」が出てきたけど、実はこの有名な本を読んでいなかった。

ということで、図書館で借りて来た読んでみました。

描写は美しいけど、銀河鉄道に乗っている人たちは亡くなった人たちだったのですね。夢か現実かわからない中、現実に戻ったジョバンニは、カムパネルラが川に入って見つからないことを知る。そう、銀河鉄道にカムパネルラも乗っていた。どこまでも一緒に行こうと思ったのにカムパネルラの姿が消えてしまった。そしてジョバンニは生きている。

車のいろは空のいろ (ポプラ社文庫―日本の名作文庫)

★車のいろは空のいろ あまんきみこ

空いろのタクシーにのった松井さんと不思議なお客さんとの出会いをやさしくあたたかく描きます。

 

これまた活版印刷三日月堂の中で、朗読会の題材として出て来た本。タクシー運転手の松井さんのタクシーには、年齢も性別も時代も超越した不思議な乗客がたくさん乗ってくる。知っているはずの街並みがいつもと違う景色になり、それは昔に戻っていたり、森の中を抜けてみたり・・・。そして人間に化けた動物達が本当の姿を見せてくる。

この本の中の話が教科書にも採用されているらしい。私の時代には無かったけどね。

 

 

お勝手のあん (ハルキ文庫 し)

★お勝手のあん 柴田よしき

品川宿の老舗宿屋「紅屋」を営む吉次郎は、二年ぶりの長旅から見知らぬ女童を連れ帰って来た。吉次郎は、女童おやすの類まれな嗅覚の才に気づき、紅屋の岡って女中見習いとして引き取ることに。拾ってもらった幸運をかみしめ、ゆるされるなら一生ここにいたいと懸命に働くおやす。研究熱心な料理人政一と、厳しくとも優しい女中頭おしげのもと、年下の奉公人勘平、百足屋のお嬢様お小夜とともに日々を過ごす中で、人間として、女性として、料理人として成長していく。シリーズ第一弾。

あんの青春 春を待つころ お勝手のあん (ハルキ文庫 し 4-4 時代小説文庫)

★お勝手のあん あんの青春〜春を待つころ〜 柴田よしき

安政二年。江戸の大地震からふた月が過ぎ、品川宿の宿屋紅屋もようやく落ち着きを取り戻しつつある。台所付きの女中見習いおやすは、正式に女中となれる日を夢見つつ、充実した毎日を送っていた。そんなある日、おやすはお使いに行った団子屋で、武家の生まれらしきお嬢様おあつと出会う。おやすは、おあつが自分には想像もできない世界の人だという気がしていて・・・。シリーズ第二弾。

あんの青春 若葉の季 お勝手のあん (時代小説文庫)

★お勝手のあん あんの青春〜若葉の季〜 柴田よしき

昨年の大地震が残した爪痕も、ようやくいくらか薄れて来たように思えた頃。品川宿の宿屋紅屋では、おやすが見習いから、台所付きの女中として正式に雇われることとなり、わずかばかりだが給金ももらえることになった。百足屋のお嬢様お小夜が嫁ぎ、おあつから別れの手紙を受け取るなど寂しくなるおやすだが、心配していた勘平の消息を聞き、むら咲の女料理人おみねから出された謎を考えながら、充実した日々を送っていく。シリーズ第三弾。

 

面白くて一気読みしちゃいました。本を読みながら料理が目に浮かんで・・・。おやすを取り巻く色んな人の事件もさることながら、話の中で出てくる料理の数々。誰かのために料理を作ることが無くなって、だんだん料理を作るのが面倒になってきていたけど、なんだか色々作りたくなってきたぁ。しかし金鍔って四角じゃなく丸かったのね。そうよねつばって感じは刀の鍔やか、名前からすると丸いものだったのがわかるよね。