ミュージカル「ドリームガールズ」3 | トシ・カプチーノ。 オフィシャルブログ Powered by Ameba

ミュージカル「ドリームガールズ」3

 

 

実は、マンハッタンに観光する日本人の人気定番コースの一つに、ハーレムツアーなるものがあって、そこでは、ギトギトこってりのソウルフードを賞味し、ゴスペル教会で拍手喝采、しまいにゃアポロ劇場のアマチュアナイトで、床に寝っ転っちゃって、涙と鼻水で絶叫歌唱するオバハン歌手なんかを愛でたりするのです。これが他の諸外国の観光客から郡を抜いて日本人に人気。ハイ、もう分かりましたね。一見、おしとやかでナデシコな我々ニッポン人も、その実はコテコテ肉食系のものを偏愛して止まない部分を併せ持っていたのです!  で、この「ドリーム・ガールズ」の口当たりの良いコッテリ具合といったら、ファーストフードでは味わえない、そう、例えるならハーレムのソウルフードの老舗シルビアスの濃厚ながらも、深ーい芳醇な味わい。

                                       

本作品の中に籠められた夢とはなにか。その1:類いまれな容姿でもなければ、男のフェチズムを刺激する女性のお色気もない当時若干21歳の無名の黒人女優、ジェニファー・ホリディのスター誕生の夢。その2:ハリウッド映画版でもっとも難役のエフィーに大抜擢されたジェニファー・ハドソンの銀幕の夢、その3:「ドリーム・ガールズ」のモデルとなったモータウン・レコードのベリー・コーディやシュープリームスの立身出世の夢。誕生からすでに32年が経過しても全く色あせない魅力があるのは、この3つが「ドリーム・ガールズ」の核とっているから。

 

最期に、ミュージカル「ドリーム・ガールズ」が観劇ポイントは、1モータウンサウンドのR&B、ゴスペル、ポップなどを取り込んだ名曲の数々。2、女性のカラダの曲線美を強調した、マーいわゆるボディコンってやつ?と、きらびやかな衣装と60年代のファッションの数々。3、ショービジネスで成功をつかむため、切磋琢磨している少女たちの強さと脆さの中で、夢を追う少女たちのストーリー。

 

それら以上に人々を魅了しているのは、時代の流れとともに確実に輝きは失せてい行くはかない運命のミュージカルに、生身の人間が魂を吹き込むことで再び輝きを増すから。だから、「ドリーム・ガールズ」は、何度観てもカーテンコールで必ず熱いものがこみ上げてくる。