ミュージカル「ドリームガールズ」2 | トシ・カプチーノ。 オフィシャルブログ Powered by Ameba

ミュージカル「ドリームガールズ」2

 

 

愛した男への執念を切々と歌い上げるブロードウェイのスタンダードナンバー「And I am telling you I am not going」は声量と歌唱力なくしては成り立ちません。歌のウマい人と強靭な喉を持っているしか手をだしてはいけない領域とでもいいましょうか。過去には、ホイットニー・ヒューストンをはじめ、全米で放送中のオーディション番組「アメリカン・アイドル」などでも、全米から集まった選りすぐりの自慢荒らしがその曲に挑戦。ダイナミックに歌いこなしているものの、歌にプラスアルファーの魅力を加えたジェニファー・ホリディの歌を超えられるものはいない。あとにも先にもと・・・。

 

 

さて、本作は1981年にブロードウェイ初演、翌年のトニー賞で11部門にノミネートされ、ミュージカル作品賞は逃したものの6部門で受賞。トニー賞最高の栄誉ミュージカル作品賞を逃しながらも「ドリーム・ガールズ」は約1500回のロングランを記録。前述の「And I am....」は、 劇場を超えて、当時のヒットチャートでも大ヒットとなり、ジェニファー・ホリディは、グラミー賞の最優秀女性R&Bパフォーマンスを獲得している。それ以後、1987年に再演されて以来、しばらく鳴りを潜めていた本作が、2006年にハリウッドでミュージカル映画化。ジェイミー・フォックス、 ビヨンセ・ノウルズ、 エディ・マーフィ、 ジェニファー・ハドソンの豪華キャストが出演。主演のビヨンセは役作りのため10キロ減量っても話題になったが、やはり話題の中心は、TV公開オーディション番組アメリカン・アイドル出身でデヴュー間もなかったジェニファー・ハドソン。エフィー・ホワイトという大役を新人とは思えない自然な演技と、オリジナルのジェニファー・ホリディを凌駕する歌いっぷりでアカデミー賞助演女優賞に輝き、押しもおされる大スターとなったことは、まさに夢見る少女たちを地で行くサクセスストーリーだ。そしてその3年後、舞台版として再演された本作は、日本人にとってアマチュアナイトの歌合戦であまりにも有名な黒人音楽の殿堂アポロシアターで期間限定公演が行われた。黒人住居街ハーレムの中心にる本劇場だからということもあり、観客の多数が黒人。絶妙なタイミングで声援を送りながら拍手をする観客たちが作り出す空気感は、俳優のテンションまで上げて劇場は一体感に包まれる。

 

3に続く