メーキング・オブ・ピーターパン「NEVERLAND」 | トシ・カプチーノ。 オフィシャルブログ Powered by Ameba

メーキング・オブ・ピーターパン「NEVERLAND」



まずは、

蝶よ花よのブロードウェイの舞台裏の

とーっても生臭いお金のお話から・・・。




昨シーズン開幕したミュージカルの

チケット週間売上のベスト3は・・・・

(2015年6月7日現在)


第1位 「パリのアメリカ人」

 (1億7千万円)



第2位 「王様と私」         

 (1億4千万円)



第3位 「ネバーランド」

 (1億3 千7百万円)







ちなみに、一位と二位は、


それぞれトニー賞4部門受賞!


まさに


舞台のクオリティーと


興行収入との


相関関数が見事に

マッチングしとりますの♡





が、しかーし





三位の「ネバーランド」は


チケット売上では上位なのに


トニー賞にノミネートさえされず・・・






これは一体どゆこと?









「ファインディング・ネバーランド」は

ジョニー・デップ主演の映画を舞台化。

知名度だけは抜群なんだよね!




ストーリーは・・・


劇作家であるJ.M バリーはスランプに陥り、

なかなか新作が書けない。

そんな時、ロンドンにあるケンジントン公園で、

未亡人シルビアとその子供4人と出会う。

その中の一人の少年がモデルとなり

児童文学の名作「ピーターパン」完成させると言う、




いわゆる




メーキング・オブ・ピーターパン





まずこのファミリー・ミュージカルの見どころは





話題満載の演者達・・・




◎マシュー・モリソン    



人気テレビドラマ「グリー」で大ブレイク。   

今や飛ぶ鳥落とす勢いの

超売れっ子ミュージカルスター。  

日本にもファンが多い。

TVで見せつけた、その抜きん出た歌唱力と演技力、

そしてルックスは折り紙付き!?  



◎ケルシー・グラマー  



TVコメディドラマ「そりゃないぜ!?フレイザー」、

「チアーズ」で一世風靡した性格俳優さん。  

本作ではフック船長と

チャールズ・フローマン役の二役を演じ分ける。  

彼のしゃくれアゴを見れば、

あーあの人ね・・とわかるはず。   

言ってみれば、

本作の最強の人寄せパンダだわね!







◎ダイアン・パウルス  


2013年「ピピン」でトニー賞再演賞受賞。  

現在、超売れっ子演出家の彼女が作り上げた

ファンタジー・ワールドだったが・・  

彼女、やる気あったのか!?

本気でトニー賞狙ってたんだろうか?








ピーターパンそのものではなく、


それを劇作家が創作するまでのプロセスに


焦点を当てたストーリーは、


おもしろーい着想だー。




が、しかーし




▲センチメンタル過多な脚本・・

 おまえは甘いだけの

 無果汁コーンシロップ満載の

 アメリカンソーダかっ!




▲何が何でも夢は願えば叶う安直なメッセージ









▲映画「タイタニック」っぽい楽曲

(セリーヌ・ディオンが出てくるかと・・笑)







▲犬出せば、いいってもんじゃないのよ!

 トニー賞に動物賞があっても

 ノミネートさえ無理だろうなぁー。














素面のマチネ観劇だったのだけど


眠気を我慢できず、


何度ウトウトしたか!


ま~一言で言ってしまうと




所詮、アイドル・ミュージカルなのよね。




私がやっぱ見たいのは




空飛ぶ郁恵ちゃん・・・ じゃなくて




ピーターパンそのものだわな!




ところで、ここ最近、

映画を舞台化した作品で記憶にあるのは・・




「ビッグ・フィッシュ」

「ハネムーン・イン・ベガス」

「ジジ」

「ロッキー」



「ジジ」だけは、まだ延命中だが、

どれも数ヶ月で撃沈!

 


ハリウッドでヒットしたからって、

 



それをそのままブロードウェイにもってきて

 



二匹目のどぜうを狙ったって、

 



そーは問屋が卸さないのよね~

 

やはり、映画の舞台化で必須なのは



オリジナルの映画を超えるくらいの





挑戦的な何か・・・





そんな作品の出来ながら「ネバーランド」は

前述の通り、本作は連日ほぼ満席!




回りの観客を見渡せば、子供連れの家族と、




モリソン目当ての




ニキビ面&歯列矯正ブリッジ装着の

10代の女の子達だらけ!




身も蓋もない言い方かも知れないけれど、




率直に申し上げて、

ファミリーミュージカルっていい商売よね~。




ブロードウェイに子供料金の設定なんてないから



家族4人がオーケストラ席のチケット買えば、


 

それだけで600ドル前後・・・




興業の金庫番であるプロデューサーにとっては







上得意様。






ビバご家族連れ、って事なのでしょう・・・





感性や倫理観を問うような、




重厚で作り込んだ作品が好きな人には




物足りなさの残る作品だけれど、





分かり易いストーリー。









テレビで良くみかけるあのイケメンも出ているし、









なんの予習もなく

肩の力を抜いて見れる

楽チンミュージカルを









探している人には

最高の作品なのかもね!?







さて、本作を翻訳上演するとしたら・・・



主役、J.M バリーには



日本ミュージカル界が誇るプリンス3人、





井上芳雄さま

 

浦井健治さま

 

山崎育三郎さま





にトリプルキャストでお願いしとうございます。

間違いなくチケットは完売でございます。




マシュー・モリソン、ケルシー・グラマーを

生でご覧になりたいという、

そこのあなた、

韋駄天走りで劇場へ急げ!



  
ブロードウェイってミュージカルって、楽しいだけでなく、

人生訓がいっぱい詰まった 素晴らしいもんなんですね。



 
トシカプ評:★




Lunt-Fontanne Theatre

205 West 46th Street

New York, New York 10036