グロリア・エステファンの自伝ミュージカル「On Your Feet」 | トシ・カプチーノ。 オフィシャルブログ Powered by Ameba

グロリア・エステファンの自伝ミュージカル「On Your Feet」






お料理大好きの私は、その前戯である食材の買い物もスキスキ~♡





そんな至福の買い物の最中 購買欲を超駆り立てるのがBGM。





グロリア・エステファンのヒット曲「123」なんて聞こえてきた日にゃ

ついリズムの乗って骨盤をリズミカルにグラインドさせながら、商品をポイポイ籠の中へ

ぎゃー、買いすぎた!!ってことも





グロリア・エステファンといえば、80年代にキューバン・リズムを

ポップ・ミュージックと融合してヒットを連発したラテン音楽界の松田聖子

そんなアゲアゲのグロリア・エステファンの珠玉のナンバーを綴ったミュージカルが・・・





「オン・ユア・フィート」。




物語は・・ キューバ生まれの歌手、エステファンが、

アメリカに移住後、母に反対され七転八倒しながら、

ラテンシンガーとしてスターダムにのし上がるまでのアメリカンドリームを

1-2-3""コンガ"といった名曲の数々とともに描かれる。
















このブログに何度も書いているが、この手のミュージカルは、

ヒットした既存の曲にストーリーをつくっつけたジュークボックス系の中の自叙伝型







その中で、代表的な作品は・・

(フランキー・バリーとフォーシーズンズの「ジャージー・ボーイズ」)

(キャロル・キングの「ビューティフル」)







お馴染みの楽曲プラス、有名人の成功物語で

安直な設えながら、ヒット間違いなし、

とプロデューサーたちは目論んでるんでしょうが、

そうは問屋がおろさない、ってな事も以前にお話しした通り。







「オン・ユア・フィート」に関して

ハイハイラクチンミュージカルねっとたかをくくっていたワタクスィ。

これが、ノッケから飛ばしてくれるのよ。









10人編成のバンドとイカしたダンサーたちが 踊り狂う中、エステファンが登場・・

そこからフラッシュバックして彼女の幼少の頃に移るわけ・・

まー、ありがちなパターンなんです。




見所は・・・・・



◎音楽  



テンポのいいお馴染みのラテン•サウンドの連続で、

人種性別年齢を問わず、私を含めた観客は終始ノリノリノリカよ! 

下手すると劇場がダンスフロアと化しそうな勢い。  

しか~しミュージカルのために書き下ろした耳慣れない新曲が始まると

観客のテンションいきなり急降下。チ~ン  



◎脚本  



テンポよく、重要なエステファンの人生転機が描かれてはいる。  

エステファンが交通事故にあい、瀕死の重傷を負った場面で多少シーンの変化が見られたが、  

あとは定規で線を引いたような展開が最後までと芸術性が薄い。  

が、エステファンのホノボノとした家族愛の描き方は素晴らしく、ちょいウルウルする場面も。



◎キャスト  


熱い、キャストの面々が火傷するほど熱い!!  

つい最近、アメリカンミュージカル界に鉄板コンテンツとして君臨する  

あるロングラン作品を観劇したが、キャストがヌルユルのあの作品とは雲泥の差。    

そんなヤル気まんまんのキャストの中、突出していいのが、エステファンを演じるアナ・ヴァラファン  

声質といい、歌のうまさといい、ルックスといい本人の若かりし頃にクリソツ  

加えて演技もブロードウェイ・デビューとは思えないほど堂々とした貫禄で、

ラテンディーバを演じておられましたとさ。



クリエイターは・・・



脚本:アレクサンダー・ディネラリス(『ザナ・ドント!』)

演出:ジェリー・ミッチェル(『ラ・カージュ・オ・フォール』『キンキーブーツ』)

振付:セルジオ・トルーヒヨ(『ジャージー・ボーイズ』『メンフィス』)



結構、すごいメンツが雁首そろえて創作している本作。



ハッキリ申し上げましょう。

もー彼らは、はなっから崇高な舞台芸術を作ろうなて みじんもナイな?これ!



ラクーにお金儲けのためだけにやってるヨ~

にわかミュージカル・ファンのため

4泊6日の旅行者のため

ミュージカル・ビギナーズのため



割り切って そんな観客を徹底的に喜ばせるためだけに作られた作品といっていい。

そして、そんな開き直り方が 上手くいってしまった稀有な作品!



え、えらい厳しいこといいながら、 実は、私、超たのしかったのよ!



あまりに楽しくて、涙が溢れてきたほど!




やっぱ、ミュージカルって、

眉間にしわ寄せて、肩肘張ってみるよりも、

楽しいほうがいいにきまっている!!!

もちろん日本人旅行者にうってつけ!



トニー賞で、 ミュージカル作品賞、 脚本賞、 演出賞、 振付賞などの 主要なショーを

取ることはゼーッタイにないけど、(重ねて言うが、彼らそんなの元々目指してない!)

「マンマ・ミーア!」のように演劇のプロにはクソミソ言われても こりゃあしばらく安泰ですな。

間違いなく、日本で翻訳上演もあり!と見た。



いやー、もう一度見たいくらいよ、私。



もしも、この作品を日本で翻訳上演するのなら・・・



主役のエステファン役は・・・ 岡本夏生嬢



ルックスはおけー。 歌と演技は、虎の穴で特訓してもらいたい。

ギャラは「5時に夢中」よりいいかもよ!



ミュージカルって、ブロードウェイって楽しいだけでなく、    

ほんっとうに役に立つ人生訓がギュっと詰まった素晴らしいものなんですよね!  





トシカプ評:★★★★



Marquis Theatre

1535 Broadway

New York, New York 10036