「RENT」 | トシ・カプチーノ。 オフィシャルブログ Powered by Ameba

「RENT」

2011/8/31 OFF Broadway RENT


ここ数ヶ月の激務に、
少しは体のメンテをしなきゃヤバイのでは・・
と先週、友達おすすめのコリアン・マッサージを訪問。
受付嬢に60分コースをお願いしたら、
“男はリフレッシュサービス付いてるあるよ”と言われ、
気持ち悪くなり帰って来た。
ったくよ、純粋にマッサージを受けたかった私に失礼極まりない。
そっちのサービスが欲しければ、アイ・ランド・TOKYOに行くっつうの!

さて、「RENT」といえば、96年にオフオフ・ブロードウェイのニューヨーク・シアター・ワークショップで初演されたジョナサン・ラーソン作のミュージカル。プレビューの前日に作者ジョナサン・ラーソンが急死するという劇的な展開もあいまって、米国で社会現象を巻き起こした。同作は、数ヶ月にオン・ブロードウェイへ進出し、トニー賞、ピュリツアー賞など数々の賞を獲得。12年間にも及ぶロングラン公演を記録し、ブロードウェイ史上に名を残すロック・ミュージカルとして語り継がれていることは”RENTフリーク”でなくとも周知に事実。そんな「RENT」の閉幕から3年。再演はまだまだ先の話を思いきや、なんと2011年8月12日、オフのニュー・ワールド・ステージで「RENT」の公演が再スタートした!

新生『RENT』のキャストは、私の期待を遥かに越えた魅力的なヤング揃い。断トツに良かったのはコリンズを演じたニコラス・クリストファー。本作でオフ・デビューを飾った新人だ。ルックスは、現在、テレビ・映画で大活躍中のオリジナルキャスト、ジェシー・L・マーティンに比べたら落ちるけど、歌の実力は彼が上。渋い低音は私の前立腺を刺激し、その歌の巧さは、最近キャバレーショーから遠ざかっている私の歌心に火をつけたほど。一方、落胆したのはロジャーに扮したマット・シングルデッカー(「春のめざめ」06年、「ウエストサイド物語」09年)。典型的な美形の白人男性なのだけど、取り柄はそれだけ。演技も歌も薄っぺらなら、存在感もない木偶の坊よ。上半身裸でアバクロの入口に立っていたほうがお似合い。

演出は、『RENT』オリジナルの演出家でもあるマイケル・グライフ。昨年、劇場前で私が声をかけたら、スゴい冷たい態度を取ったお方だ。その話は置いといて、今回の再演でグライフは舞台装置と振付をマイナーチェンジ。狭い舞台に鉄格子を組み、限られた舞台スペースを上下から両サイドに至まで上手に使った演出はなかなか。ただLARRY KEIGWINの振付はイマイチ。今っぽくしたつもりだろうけど、私からしたら創造性のないゲイクラブイベントのダンスのよう。まあ、とはいえ、『RENT』はジョナサンの立派なブランド。演出振付が良かろうが悪かろうがファンは観に来る。そういえば、このニューバージョンの演出は、来年、日本で行われる『RENT』の日本公演にも取り入れられるというからファンとしては楽しみだ。余談なのだけど、山本耕史(マーク役)と宇都宮隆(ロジャー役)が主演した98/99年の「RENT」日本翻訳上演のNYコーディネイターはオレ様。それがご縁でプロデューサーのケウ゛ィン・マッカラムとアラン・ゴードンの二人と知り合い、彼らが私のグリーンカード(永住権)の身元保証人になってくれたことで、普通では有り得ない短期間で永住権が取得できた。ジョナサンの恩恵を受けたのは、テイ・ディグスとイディナ・メンゼルなどのキャストやプロデューサー、演出家だけでなく、私もその一人。

それにしても早かった「RENT」の再演。しかし、オフ上演と聞いて私的にはちょっと納得。『RENT』はやっぱり大劇場より、300席程の小劇場がいい。再演の仕上がりに賛否両論あるけれど、私的には今まで4回観た中でもっとも心を揺り動かされた!やっぱジョナサンのバラードは絶品!今更だけど、ジョナサン・ラーソンは天才だ。LOVE 「RENT」