努力しないで成功する方法 | トシ・カプチーノ。 オフィシャルブログ Powered by Ameba

努力しないで成功する方法

昨年3月27日に開幕した再演ミュージカル『努力しないで成功する方法(How to Succeed in Business Without Really Trying)』。主演ダニエル・ダドクリフは今年1月1日をもって降板。主演が入れ替わり立ち代わり変わっているけれど、しぶとく生き残っているよね。

初演は1961年(今年で51歳ってこと・・汗)。その翌年、トニー賞で7冠を達成。同年度のピューリッツァー賞も獲得した傑作で、67年には映画化もされた。日本では64年以来、翻訳上演が度々繰り返され、昨年7月には宝塚歌劇団雪組のトップスター音月桂主演での上演もされたんだよね。

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物語の舞台は60年初頭のNY。将来に希望も夢もない、しがない窓ふきのフィンチは、ある日、金持ちになるためのハウ・ツー本「努力しないで出世する方法」を見つける。彼はその教本から、大会社に潜り込む為の方法や、社内で優位に立つためのテクニック、上司や社長へのゴマすり方を習得。出世街道を突っ走り、ついには宣伝部の副社長の座にのし上がる。がしかし、自分が企画したTV宣伝プロジェクトが大失敗し崖っぷちに立たされ・・・。

主人公フィンチに扮したのは映画「ハリーポッター」シリーズの主演俳優としてあまりにも有名なダニエル・ダドクリフ。ブロードウェイ・デビュー作「エクウス」(08年)で、スッポンポンにまでなって大健闘したのはまだ記憶に新しい。そんでもって今回はミュージカルに初挑戦!ブリティシュの強烈な英語のアクセントを直し、歌に踊りに一生懸命に頑張っている。でも、言ってみれば彼はミュージカルの素人。ボーカルコーチやダンスの指導者が、手取り足取りして、観客に好まれる歌い方や踊りなどのテクを徹底的に教えたこまれたことが、彼の演技から見えてしまう。21歳にして10億円くらい軽く日本に寄付できそうな億万長者になった彼が、何が悲しゅうて向いていないことやるかねぇ~。無駄な努力はやめて、映画だけにしぼるか、隠居して余生を楽しめばいいんじゃないの!?(軽い嫉妬をこめて)

ラドクリフがミュージカルに向いていないことは本作の最大の欠点なのだけど、演出・振付のロブ・アッシュフォードにも責任はあるね。振付は、飛んだり跳ねたりワンパターン。演出においては、昨年1月に閉幕したミュージカル「プロミセス・プロミセス」と酷似じゃない。演出家としてはまだまだ。「ブック・オブ・モルモン」を観て出直して来なさいって感じさ。

さすが客寄せパンダのラドクリフ君。劇場は彼見たさのファンでいっぱい。作品の善し悪しに関係ないからカーテンコールはもちろん、スタンディング・オーベーション。黄色い歓声が観客から巻き起こっていたよ。ミュージカルがより多くの人に愛されるんはうれしいこと。だけど・・所詮みんなスター見たさ。心からミュージカルを愛する人からしたら本末転倒よ。最後に、ダニエルが舞台に出てくると、「エクウス」で見た彼の全裸がちらついてちゃって・・というのは彼のタマタマ、まるで知る人ぞ知る大阪のハッチェンバー、金比羅温泉で見た80歳くらいのお爺ちゃんのようにデレ~ンとしていたんだもの・・・あら失礼。

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