新生『RENT』 | トシ・カプチーノ。 オフィシャルブログ Powered by Ameba

新生『RENT』

“レント”といえば、ジョナサン・ラーソンのミュージカル。オフオフで初演されたのは96年。プレビューの前日に作者ジョナサンが急死するという劇的な展開もあいまって米国で社会現象を巻き起こしたのよね。同作は数ヶ月にはオン・ブロードウェイへ進出し、トニー賞、ピュリツアー賞など数々の賞を獲得。12年間にも及ぶロングラン公演となり、ブロードウェイ史上に名を残すロック・ミュージカルとして語り継がれていることは”RENTフリーク”でなくとも周知に事実よね。そんな「RENT」の閉幕から3年。再演はまだまだ先の話を思いきや、なんと去る2011年8月12日、オフのニュー・ワールド・ステージで再演がスタートしたの!

新生『RENT』のキャストは私の期待を遥かに越えた魅力的なヤング揃い。断トツに良かったのはコリンズを演じたニコラス・クリストファー。本作でオフ・デビューを飾った新人よ。ルックスは、現在、テレビ・映画で大活躍中のオリジナルキャスト、ジェシー・L・マーティンに比べたら落ちるわ。けど、歌の実力は彼が上手。渋い低音は私の前立腺を刺激し、歌の巧さには、最近キャバレーショーから遠ざかっている私の歌心に火をつけたほど。一方、落胆したのはロジャーに扮したマット・シングルデッカー(「春のめざめ」06年、「ウエストサイド物語」09年)。典型的な美形の白人男性なのだけど、取り柄はそれだけ。演技も歌も薄っぺらなら、存在感もない木偶の坊よ。上半身裸でアバクロの入口に立っていたほうがいいんじゃなくて!

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演出は、初演版の演出家でもあるマイケル・グライフ。昨年、劇場前で私が声をかけたら、スゴい冷たい態度を取った人よ。その話は置いといて、今回の再演でグライフは舞台装置と振付をマイナーチェンジ。狭い舞台に鉄格子を組み、限られた舞台スペースを上下から両サイドに至まで上手に使った演出はなかなかよ。一方いけなかったのがLARRY KEIGWINの振付。今っぽくしたつもりだろうけど、私からしたら創造性のないゲイクラブイベントのダンスにしか見えなかったわ。まあ、とはいえ、『RENT』はジョナサンの立派なブランド。演出振付が良かろうが悪かろうがファンは観に来るのよ。そういえば、このニューバージョンの演出は、来年、日本で行われる『RENT』の日本公演にも取り入れられるというからファンとしては楽しみじゃない。余談なのだけど、山本耕史(マーク役)と宇都宮隆(ロジャー役)が主演した98/99年の「RENT」日本翻訳上演のNYコーディネイターはワタシなのよ。それがご縁でプロデューサーのケウ゛ィン・マッカラムとアラン・ゴードンの二人と知り合い、彼らが私のグリーンカード(永住権)の身元保証人になってくれたことで、普通では有り得ない短期間で永住権が取得できたの。ジョナサンの恩恵を受けたのは、テイ・ディグスとイディナ・メンゼルなどのキャストやプロデューサー、演出家だけでなく、私もその一人なんよ。

ネタ不足?それにしても早かった「RENT」の再演。それを耳にしたときは驚きだったけど、オフ上演と聞いて私的にはちょっと納得、うれしかったな。『RENT』はやっぱり大劇場より、300席程の小劇場がいいよ。役者と観客の距離が近いから一体感が生まれやすいし。まあ、再演の仕上がりに賛否両論あるけれど、私的には今まで4回観た中でもっとも心を揺り動かされた!やっぱジョナサンのバラードは絶品!今更だけど、ジョナサン・ラーソンはやっぱり天才だったのね・・。尚、私、1時間100ドルのマッサージM4Mに行くつもりだったけど、それをヤメて、もう一度『RENT』を観る・・・ブレイク・スルーシートなら100ドルで5回観れるわ♡