映画「ライオン・キング」 | トシ・カプチーノ。 オフィシャルブログ Powered by Ameba

映画「ライオン・キング」

チケットにプレミアがつき、劇場前にはダフ屋が出るほどの大人気だったミュージカル「リトル・ダンサー」(08年)。「オペラ座の怪人」(88年)や「ライオン・キング」(97年)のように、半永久的にロングランするのではと思っていたのだけど、私の予想は見事にハズレ。2012 年1月8日に閉幕!私のオカマの友人が寂しがってるの。というもの彼、なんと本作を最前列で30回以上観劇した熱狂的ファン。役者に顔も名前も覚えられているのは言うまでもなく、英語の台詞もほぼ暗記しているというからその入れ込みようがわかるでしょう。そんなアホ、じゃなくてファンがいるから興行が成り立つわけだけど、それだけでロングランは無理。公演期間が長くなれば、話題性が必要なのよ。例えば、本作の見どころは子供だから、戸田愛菜のような子役を抜擢するとか・・。ミュージカル「シカゴ」や「RENT」のように有名人セレブを起用できれば、もうちょっと延命できたのかもね!?あっそういえば、今度「シカゴ」に米倉涼子が一週間の限定で出演するわよね・・・w。

一方、空前の大ヒットとなったディズニーの代表作「ライオン・キング」は開幕から14年たった今でもブロードウェイ作品の中で1、2位を争うドル箱ミュージカル。週のチケット売上げは1億円以上、プロデューサーは笑いが止まらないはず。商魂逞しいディズニーは、さらに”ライオン”で一儲けしようと、今度は94年に公開された映画を3Dに作り直して再上演したのよね。

念のため、あらすじを紹介しておくと・・舞台はアフリカの広大な大地サバンナにある動物王国。ライオンの王ムファサと王妃サラビの間に王子シンバが誕生する。シンバが王になることを望まないムファサの弟スカーは、王位を奪い取ることを策略。シンバを連れ出し、渓谷に置き去りしてヌーの大群に襲わさせるが、父ムファサはシンバを間一髪で救出。スカーは渓谷の取り残された崖をよじ登り助けを求めるムファサをヌーの大群が暴走する中に突き落とし殺害する。そして、スカーの策略にハマったシンバは、父ムファサが死んだ責任を問われ王国を追われてしまう。

「奥行き」や「飛び出し」といった立体映像で、観客を興奮させる3D。流行の兆しよね。私も何度が3D体験したけれど、過去に一番感激したのは、ラジオ・シティ・ミュージック・ホールで毎年上演されているクリスマス・スペキュタキュラーね。サンタクロースとトナカイのソリが空中を舞う様子は、酸い甘いも噛み分けた私が童心に帰ったほど興奮したわ。やっぱ3Dっ観客を瞬間的に全く別の場所に連れてってくる魔法のような力があるのよ。それに比べて映画「ライオン・キング」の3D。ヌーの大群が暴走するシーンは多少臨場感があったけど、物語性を高める効果はほとんど感じられなかったmp。さらにいうと、立体的な動きなんてほとんど無かったわけ。そんな陳けな3Dで通常の3ドル以上高い映画代を払わされて、ちとムカついたわ。

私の意に反して、本作は2011年9月のアメリカ映画ランキング初登場1位。リバイバル映画としては「スターウオーズ」以来の快挙なんじゃない!?ディズニーのネタ不足も問題だけど、(今後「美女と野獣」や「リトル・マーメイド」も3D上映されるらしい)こうした過去の人気映画を、ただ3Dに作り直されたったことだけでこんなヒットに繋がったら、一から新作なんてバカバカしくて作ってられないのかも!?そうそう、NYに来る機会があったら是非舞台版を観て欲しいわね!アフリカの大自然と動物たちを舞台上に出現させたジュリー・ティモア演出は天才的な素晴らしさ(「スパイダーマン」では大コケしたけどねw)。3D映画の100倍の感動をお約束するわ。