パソコンのデーターを整理していたら研究生の卒業公演のときのパンフレットに書いた文章が出てきた。観客動員は60名程度、そのうち客だしした後にパンフが床に何枚か落ちていたから会場で読んでいただいた方は、かなり少ない、いや、今まで僕が書いた文章で一番少ないかも知れないと思うとある意味貴重な文章。
ここにアップしてみました。
ごあいさつに代えてひとりごと
僕もたまには女性を部屋に招き入れることがあります。
はい、いろいろありましたが、独身男性ですから社会的にも道義的にも何も問題はないはずです。しかしなぜかそんなときに限って、郵便受けから昔この部屋で一緒に暮らしたことのある女性宛のDM がポロっとこぼれ落ちてきたりします。僕は平然を装い何食わぬ顔で、さっと足で隠し、そのまま摺り足で10mほど先の排水溝のところまで隠したまま引きずりそこへ落とします。完璧な動きです。このときばかりは、いくら今「がに股」であっても柔道をやっていたことに心から感謝します。もし、石井慧と直接話す機会があったら「総合格闘技にいっても摺り足だけは忘れんなよ!」といってやろうと思います。
その五分後、当然のように僕は一人で自分の部屋で焼酎を煽っています。
女性の目ざとさは僕の足の動きをものともしないようです。
もし、石井慧と直接話す機会があったら、「総合格闘技にいっても女性とマスコミの目には気をつけろよ!」いってやろうと思います。
「過去」が「今」に影響をあたええている現実になんだかシミジミしてしまいます。
全く他人になったあの人は、きっと今の僕に未練もなく別の人生を歩んでいるはずなのに・・・・・いや、ひょっとすると彼女にも僕と過ごした「過去」が彼女の「今」に影響を与えているのかと思うと、申し訳なかったり、お互い様だったり、結局「今をしっかり生きる」ことしかないことを深く感じます。
今日舞台にたつ新人の二人がこれからどう歩もうと彼らの「未来」に「今日の舞台」が何がしかの影響を与え、劇団の「未来」にも彼らの存在が影響を与えると思うと、しっかり今、「いい舞台」を創ろうと心から感じています。
座長 仲谷一志