梅雨の一時の晴れ間をぬって5日、近くの天女山から天の河原へ登りました。雲はあるものの三時頃までは降らない、との予報でしたので三ツ頭から権現岳への登山コースを花を探しながら歩きました。夏山トレーニングをかねて、前三ツ頭(2364㍍)位まで登れればと思っていたのです。しかし1時間ほどでぽつぽつ降り出し、傘を出し雨の上がることを期待して暫く登りましたが、1900㍍を過ぎたあたりで雨脚が強くなり退却しました。梅雨が明けたら又来ればよいのですから、登頂に拘りはありません。登りながら良い花の写真が何枚か撮れたので、降られてしまいましたが満足のお出かけでした。
天の河原から山に入る道標の近くで、ユウスゲが一本凛と咲いていました。この花は夕方に咲き出して、昼間は萎んでしまうはず。ニッコウキスゲかなとも思いましたが、花びらが細く黄色が薄いのでユウスゲだろう、と写真に収めた次第です。10時頃でしたが日射しがないことで、萎まなかったのでしょうか。今日はこの花に遇えたことだけでも、来た甲斐があります。近くの藪の中で同じ花が咲いていましたが、回りに何もない所ですっと立ち咲いているこちらには敵いません、しばし見とれてしまいました。
登山道の脇にはいたるところ、イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)が花を付けだしました。石ころばかりの処でも群生し、7月の半ばには芝桜が咲いたように一面を花で埋め尽くしてしまうでしょう。草のように見えますがシソ科の低木、地面にへばり付き花時には5㎝ほど頭をもたげて花を付けます。淡紅色で小型の花が2㎝位に密集すると、大きな花のようにみえて美しい。葉は5㍉ほどと小さいので、咲いていないときは見過ごしてしまう。伊吹山に多くあるのでこの名になったのでしょうか、全体によい香りがあります。
ギンラン(銀蘭)が清楚な白い花を林下で咲かせています。私の庭ではすでに花期を終えていますが、標高が500㍍高い(天の河原で1620㍍)ここでは今が見頃です。茎の先に黄色の花を付けるキンランとおなじキンラン属ですが、小さな白花のこちらは地味で目立ちません。
ノハラアザミがもう咲いています。アザミといえば夏から秋にかけて咲く花、と思っていましたがあちこちで咲いている。モリアザミやトネアザミ、キツネアザミなどは同じような花を付けるので、判別は難しい。(写真のモリアザミは誤りで、ノハラアザミです)