名古屋市の教育について
  平成25年11月26日(火)午後3時より、本会議場において
 議案外質問をしました。 今回はその全てを掲載させて頂きます。

 平成25年11月例会 議 案 外 質 問
   『 本市の英語教育について 』
先月10月23日に、「やっと実現されるの?」 と思えるようなマスコミ
報道が ありました。それは文部科学省が 小学3年生から週1・2時間
の英語教育を開始する方針を固め、5・6年生は週3回の英語の授業
を正式に教科に格上げすると発表した という内容でした。 5・6年生
では検定教科書の使用や成績評価も導入される見込みであるとも報
じられました。 初等教育の段階から グローバル化に対応した教育を
充実することで 世界の中で戦える人材を育成することが狙いであると
されています。 東京オリンピック、パラリンピックが開催される2020年
までの実施を目指しているとも報じられました。 私の質問は これから
の本市の英語教育について 特に小学校低学年・中学年における英
語教育を中心に教育委員会の見解をお尋ねします。
 さて 外国に目を向けると、フランス、タイ、台湾などは小学校1年生
から、ドイツ 韓国 中国 では3年生から学校で英語教育が始まります。
授業時間数は 日本とは比べ物にならないほど多くの時間数が割か
れています。 日本の小学校の英語活動の年間実施時間数について
日本英語検定協会 いわゆる英検が昨年12月に全国1309の小学校
を対象に実施した調査で 次のようなことが解りました。 英語活動を実
施していない割合は低学年では約25%,中学年では約20%となって
います。 この名古屋市では、3・4年生の中学年においては、年4コマ
の外国語活動が行われています。 この数ははっきり言って 全国平均
以下のレベルではないでしょうか。
私は一昨年4月の個人質問において、本市小学校の英語教育につ
いて質問させて頂きました。その時の教育長答弁では 「本市の小学
校では本市独自の施策として 1年生から4年生まで年4時間の外国
語活動を実施します」と、声高らかに答えられました。 ところが、本市
では低学年の英語活動は平成23年度までで、現在は行われていま
せん。
 東京都の小学校に目を向けてみると、都内の公立小学校では学校
によって学習内容に差が生じてきています。 中でも世田谷、品川、杉
並区は教育関係者の間で「3S」と呼ばれ特色ある 教育内容が 実施
されている区です。 品川区立小山台小学校では、「World Room」
なる教室があり、所狭しと英語の本が並べられています。その中で小
学1年生が、「Red!」 「Green」と 色紙を持って、英語で歌いながら
飛び跳ねています。 音楽が止まると 「One More Time!」の大合
唱。担任と外国語指導助手であるALT,ボランティア指導助手、保護
者の4人体制で英語だけで授業を進めます。このような特色ある学校
運営、子どもたちの溌剌とした 元気な顔が浮かんできます。
 岡崎にもありました。岡崎市立本宿小学校のホームページを覗いて
みると、英語活動の実践報告がされていました。 低学年の授業では
「Yes,Noや英単語での意思表示ができるようにする。」中学年では
「2・3往復の会話ができるようにする。」高学年では「4・5往復の会話
ができるようにする」と、目標が掲げられいろいろなゲームを通じて 英
会話の習得を目指しています。 この学校の特色は 全校児童が参加
して、歌やゲームを楽しむミニ英語集会と 20名近いALTの先生が
応援に駆けつけ歌やスリーヒントクイズや名刺交換ゲームなどを行い
英語にたくさん触れることができる集会があることです。
 名古屋市にも英語に取り組む小学校がありました。 緑区の東丘小
学校では 1・2年生は4週に1回、3・4年生は隔週でキャリアマイスタ
ーによる 英語に親しむ時間を持っています。また中学校で英語指導
にあたっているAETの先生が 不定期ではありますが、1年から4年生
の指導にあたっています。
 1点目の質問です。 「このような東丘小学校で 実施されている英語
への取り組み、まずは各区で1校、実験校として実施してみる。 そし
て その実施状況、成果、子どもたちの反応を精査して、もし良い結果
が出たなら、全市的実施に踏み切る といったような決断をしてみては
いかがでしょうか?」 このような新企画は、教育委員会が 先導して
行わないとなかなか実現しそうにないのですが 教育長、教育委員会
の取り組みをお聞かせ下さい。
 次の質問に移らせて頂きます。 英語教育について お隣 韓国では
イマージョン教育が盛んです。ここで言うイマージョン教育とは「英語
漬け教育」のことです。韓国では 国の施策として英語村が30数ヶ所
運営されています。 日本でも英語村が大阪府の旧万博跡地に平成
27年度開設に向け準備が進められています。秋田県の国際教養大
学ではオールイングリッシュ、オンリーイングリッシュの講義がされ、今
日本で最も就職率の良い大学として注目を浴びています。 その他の
多くの大学で、英語漬けの部屋が設けられ、留学生と日本人の学生
が交流を深めつつ英語力の習得を目指しています。4スキルを必要と
する英語の学習は中学校に入学してから、もしくは来たるべく小学高
学年になって教科としての英語を学ぶようになってからで充分だと思
います。 2歳・3歳の子が読み書きはできなくても、聞く力と話す力 い
わゆるコミュニケーション能力は持っています。 小学校低学年・中学
年では 語学としての英語ではなく、コミュニケーションのツール として
の会話力を身に付けて欲しいのです。
 そこで2点目の質問です。 このイマージョン教育の実現のため 名
古屋市として何ができるかを考えてみました。名古屋市立英語村を旧
イタリア村などの遊休施設に開設する。これにはかなりの予算が必要
です。 次に考えられるのが 夏休みなどに公の施設、吹き上げホール
とか、ナディアパークで1週間から10日間くらい日帰りナゴヤ英語村を
開設して、子ども達は1日だけでも複数日でも、来られる日数だけ参
加する。 これなら名古屋在住の留学生ボランティアの助けも得て、少
ない予算で実現できるのではないでしょうか?
 名古屋の子どもたちに少しでも多くの機会、英語に親しむ時間を与
えてあげたいこの施策、教育長、前向きに取り組んで頂けるのでしょう
か? これこそナゴヤ版英語教育だと子ども達にも保護者にも喜んで
頂ける答弁を期待して私の一回目の質問を終わらせて頂きます。
  【 下田教育長 答弁 】
 本市におきましては、小学5・6年生の外国語活動に 1学級あたり
年間35時間の外国語アシスタントを派遣し、英語に慣れ親しみ英語
によるコミュ二ケーションの楽しさを実感することができる授業を実施
しています。 また本市独自の施策として小学3・4年生には英語活動
アシスタントを、1学級あたり年間4時間派遣し 外国語活動への橋渡
しとなるよう、児童の興味・関心に合わせた授業を 実施しています。 
学校裁量の時間を活用し、特色ある教育活動として 小学1年生から
英語活動に取り組んでいる小学校が 既に71校あり、当面は現行の
取り組みをしっかり維持していきたいと考えております。 また 小学生
の学校外での英語学習につきましては、子どもたちが英語に触れ、
英語を使う楽しさを味わうことは学校での 英語学習にとって 効果的
なものである と考えております。 学校教育の場のみならず 小学生
が英語に慣れ親しむ機会を増やすための方策について、今後、様々
な場や人材等の活用を含め研究していきたいと考えております。

 【 鹿島 追加質問 】 
下田教育長 ご答弁ありがとうございました。 まず、英語村について
です。 「今後 様々な場や人材などの活用を含め研究していきたい」
と前向きにも思えるご答弁でした。 研究だけでは なかなか子ども達
に満足が得られるものが遅れてしまいます。英語村を視察して、痛感
したのは 「もし僕の子どもの頃に英語村を体験できていたら 英語恐
怖症にならなかっただろうに」と言う悔しさです。 今の子ども達にとっ
て、今が英語村を求めている年代なのです。彼らが中学生、高校生
になってからでは遅いのです。今の子ども達とこれからの子ども達に
より良い環境を与えてあげるのが、大人に課せられた使命です。いっ
ときも早い実行をお願い致します。
  さて、小学校低学年・中学年の英語教育に関する質問の回答につ
いての意見を 述べさせて頂きます。 今日の質問をするにあたり、多く
の校長、教頭先生と 話し合う機会を持ってきました。 学校現場では
その運営の長である方々は、口を揃えて 英語教育の必要性を訴えて
います。 いろいろな壁はあるけれども、その壁を乗り越えられる学校も
現れ始めている とも言われました。 また、先ほど紹介した東丘小学
校の教頭が、「先月に行われた 奈良・京都の修学旅行では初めての
経験をしました。 6年生の子どもたちが、観光に来ている外国人の方
々に 自分から進んで話しかけているんですよ」と嬉しい報告をしてく
れました。この東丘小学校では、英語を勉強させたいから 英語の授
業を取り入れたのではない。今の子ども達に欠けていた自己表現力
を身に付けてほしい。コミュニケーション能力をアップさせたいという主
旨から、そのツールとして英語を導入したのです。 そしてその成果は
確実に現れていると、話が進むに連れ 確信できました。
 先ほどの教育長の答弁の中で 小学1年生から英語活動に取り組ん
でいる小学校が既に71校あると聞いて、「結構 やってるんだ」と正直
驚きました。しかし この71校は時間数も内容面でも東丘小学校の英
語指導とは比較にならないと思います。やるからには 効果を最大限
に 引き出さなければなりません。「当面は現行の取り組みを しっかり
維持していきたい」という答弁を頂きましたが 年に1,2回英語活動に
取り組むレベルの英語指導では興味も効果もあまり望めません。学校
裁量の時間をいかに有効に使うか? もしこの時間に関しても、現行
の英語指導助手に加え 中学校で指導しているAETや英語ができる
キャリアマイスターを活用して 名古屋の子ども達に1時間でも多く 英
語に触れ合う機会を増やしてあげてはいかがでしょうか? 教育長 前
向きなご答弁をお願いします。
 【 下田教育長 再答弁 】
 今後は、文部科学省の動向を踏まえつつ、小学校における英語教
育のあり方について研究してまいりたいと考えております。
 【 鹿島 最終要望 】 
 再度のご答弁ありがとうございましたと言いたかったんですけど 余り
にも杓子定規な回答でがっかりしました。 今日の私の質問の主旨は
名古屋独自の 英語教育を打ち立てて欲しい、何が名古屋の子ども
にとってベストなのかを真剣に考えて欲しいと訴えているのです。 文
部科学省の動向は、英語推進路線に決まってますよ。
 東京都の教育委員会では、633制に変わる444制の検討を始めて
います。 教科としての英語が、小学5年生から始まるのを 受けての対
応かも知れません。東京都について、昨日の夕方、こんなニュースが
飛び込んできました。 都内の中学校、高校で英語指導している教師
3300名の内 採用後3年を経過した教師200名を 3ヶ月間外国留学
させるため 6億円の予算を都教委が要求したと言う内容です。生きた
英語教育をする決意があれば、当然の施策です。教育改革を文部科
学省任せでなく、地方公共団体が積極的に行う。
 名古屋市も「子育てするなら名古屋」という立派な標語があります。
「英語教育なら名古屋」と胸を張って主張できるような名古屋独自の
英語教育をいっときも早く実現して欲しいのです。
 最後に高校における英語教育について要望を述べさせて頂きます。
市立名東高校国際英語科においては実り多い英語教育が 行われて
いると思います。 一昨日の新聞報道でも 北高校に国際理解コースを
設ける 市の方針が紹介されました。 外国人講師に習い、留学生との
交流や 「英語漬け」の生活を送る「イングリッシュキャンプ」も行うと書
かれていました。イマージョン教育そのものですよね。
また、以前 SSH、スーパーサイエンスハイスクールの指定を受けて
いた向陽高校では、国際科学科の新設が予定されています。海外へ
研修に出かけ、現地の高校生と英語で研究成果を発表し合いますと
明言されています。 素晴しいの一語です。
文部科学省では、まだ詳細が明らかにはされていませんが英語力
だけでなく幅広い教養や問題解決力をも身に付けた生徒の育成を促
すため、来春から先進的な高校を「スーパーグロ-バルハイスク-ル」
略してSGHに指定して支援すると発表しました。
高校も大きく前進しようとしています。 海外でも活躍できる 「グロー
バル人材」を育てるため、名古屋市教育委員会も 過去の踏襲から早
く抜け出し、更なる進化を 実現されますよう要望して、私の質問を終
わります。


ブログを再開しようと思っていますが、このブログ、「世直し先生」の


ページでは出てこないですよね。


先日、「ブログを再開します」を書いたら、19名の方のアクセスがありました。


どうやると、そのページに辿り着くのか、書いた本人が分かりません。


勝手にパスワードを変えてしまい、今は「 toshibo の言いたい放題 」のタイトル


をつけていますが、新たなパスワードを使用しないと、そのページを見つけられ


ません。 そんなこんなで試行錯誤を繰り返し、悪戦苦闘しています。

 今年5月中旬の記事を最後にブログを休んでいましたが、再開できそうです。


「できそうです」と書きましたが、パソコン音痴の私が、どこをどういじったのか、


分からぬまま、ブログが書けなくなったのです。


 この記事も皆さんの元に届くかどうか不安です。 今日はご挨拶だけに留め


させて頂きます。      鹿島としあき