<ハンドルネーム>がんばれ伏見!


私の中で一番印象に残っている伏見選手のレースは、2000年の競輪際決勝です。


当時私は競輪があまり好きではありませんでした。ただ友人の付き合いで競輪をやるというだけでした。その2000年の競輪祭でもただ付き合いで競輪に行き、なんとなく伏見選手から車券を買いました。それまでは私が買った選手は、全然私の期待通りの結果を残してくれず「競輪なんて面白くないな」という印象でした。


しかしそのレースでは伏見選手が力強い競走で決勝に勝ちあがったのです。実際、車券は外したのですが「明日の決勝もこの選手の走りが見たい」と初めて競輪に自分から行きたいという気持ちになったのです。


そして翌日の決勝。友人と競輪場にやって来ました。決勝レースは松岡選手をマークする山田選手、あるいは実力の神山選手か。人気は両者に人気が集まり、伏見選手はあまり人気が無かったのですが、私は友人に「この伏見っていう選手から買ってみる」といい伏見選手から買いました。友人は私を馬鹿にしたように笑い「そんなもん銭捨てるようなもんや」と言いました。


レースは人気の山田選手が早々と落車、先行体勢に入る伏見選手の番手に太田選手がはまる展開。もう一人の人気選手である神山選手が中団で、伏見選手は最終バックも先頭で通過してゆきます。伏見選手から太田、神山両選手の車券を持っていた私は手に汗を握り、自然と大声を出して伏見選手を応援していました。初めて競輪を見て興奮して大声をだしました。


結果は、伏見選手の番手から抜け出す太田選手を神山選手が捲くり、伏見選手は残念ながら3着でした。私の車券も惜しくもはずれ。しかし伏見選手の走りは私を競輪の魅力に引きずり込むには充分のレースでした。


初めて「期待した選手に答えてもらう」という感動を知りました。私は友人に「この伏見という選手は日本一強くなる。これから伏見選手から車券を買う」と宣言しました。翌年の伏見選手の活躍は知っての通りです。一年間伏見選手を追っかけた私も大金を手にすることができました。


その後、私は競輪の楽しさ、怖さを両方知り、痛い目にもあいながらも競輪場に足を運ぶのが楽しみです。今では日本中を旅打ちするほどです。もうあと10場で全競輪場制覇です。


これほどの人生の楽しみを与えてくれるきっかけになった2000年競輪際決勝が私にとって一番心にのこるレースです。



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<伏見コメント>

大量落車があったレースです。僕が先行して、1着は神山さん、2着は大田、3着は僕でした。たぶん、神山さんでなければ逃げ切っていたと思う、会心のレースでした。


この方は「明日の決勝もこの選手の走りが見たい」と、そして「この伏見という選手は日本一強くなる」と思ってくれたのです。このレースから10年たちました。今の僕は期待に応えられているかどうかわからないけれども、この方は10年間競輪場に通ってくれているのですね。ありがとうございます。

競輪祭は縁がなくて…なかなか取れません。僕が海賊王ならぬ『競輪王』になるのはいつでしょうか???

(【会心】2000年11月・競輪祭in小倉・決勝・伏見3着)