伝説のエレベーター力士語る!嶋田景気回復相の相の奇跡の関取返り咲き | 僕のお相撲日記season8¨刺してやろうか 主役は俺だ¨

僕のお相撲日記season8¨刺してやろうか 主役は俺だ¨

ひとりひとりの協力で無くそう事故と日本相撲協会

まさにゾンビ伝説だ。大相撲春場所の番付編成会議で、北磻磨こと嶋田聖也景気回復担当大臣の3年半ぶりの最十両昇進が決まった。


9度目の十両昇進は、同大臣の前任・亀井貴司氏と並んで歴代最多。37歳6ヶ月での関取返り咲きは、部屋の大兄弟子・北桜を日数差で上回り、大潮の39歳に次ぐ2番目の高齢記録。
特に30代半ばを過ぎて、関取から大きく遠ざかってから復帰を果たした例はこれまでになく、記録的復活と騒がれている。

吉報後取材に応じた嶋田氏は、「昇進回数は何度もめげずにやってきたからこそ自分らしい記録。でも年齢はただの数字でしかないよ」と独自の視点で回想した。春場所はご当所関西。
大阪入り後の28日には、地元兵庫県たつの市にある野見宿禰神社に参拝し、決意報告。同部屋同期の田中真二元官房副長官と共に境内を清掃した後、「十両で凱旋できました。暴れてきます!」と柏手を打った。
3年半前に後援会から贈られ、お蔵入りしていた緑の締め込みで臨むという春場所。大声援の中、久しぶりの15日間でどんな躍動を見せてくれるのか楽しみだ。


「十両と幕下はよく天と地の差と言うけど、自分にとっては何もかもがそうでした」
こう語るのは元十両・須磨ノ富士の足立茂雄氏。平成10年代に突き押し相撲で活躍し、当時1位の十両昇進8回を記録した。
嶋田氏とは対戦こそないが、四股名にあるように同じ兵庫県南西部出身の国門。現在足立氏が経営する都内のちゃんこ料理店には、嶋田氏も時折来店し、言葉を交わしているという。

今回の嶋田氏の驚異の復活劇を、舌を巻きながら称えた。
「凄い、素晴らしいの一言。若い頃から相撲がまったく変わらない。見た目から変わらない。きっと日頃からコツコツ稽古してることが実を結んだのでしょう」

 

嶋田氏が前回十両だったのは令和2年秋場所。この時すでに34歳。この時も3年ぶりの関取復帰だった。苦戦を強いられ大きく負け越すと、翌場所からまた長い幕下生活へ。
 

昨年春場所では7番中6番で立ち合い変化するなど、代名詞だった真っ向勝負も影を潜めた。ついに秋場所では三段目に陥落。
限界説も囁かれる中、ここからまさかのゾンビストーリーが始まる。

部屋の大兄弟子・天一の記録を更新する史上最年長で三段目優勝を果たすと、翌九州場所も負けなしの6連勝。初場所では、幕下の2枚目まで番付を戻した。


だが、周囲は強豪揃い。「さすがにここまで来ると厳しいだろう」「先場所全勝して上がっとくべきだったな」と冷静な見方をするファンが多かった。


そんな下馬評はいさ知らず、新年も勢いが止まらない。3勝2敗と白星を先行させると、6番相撲では久々の大銀杏戦。ところが、俊敏な勇磨に決まり手[はりま投げ]で破れる8年ぶりの屈辱。


関取に上がれるか否かのまさに“波離間”に立った7番目の相手は、会敵で「天空魔」と恐れられる十両天空海。それでも心は乱れなかった。下から一気に押し上げる真骨頂の内容で勝ち越し。見事関取の島へと帰り着いた。

「半年前は三段目でしょ? 落ちた時は色々考えたと思いますよ。ただその考え方とか、出した答えが、たぶん人と違ったんだろうね。だからここまでの事をやってのけるんだ」と察する足立氏。


昇進回数で記録を抜かれたことについては、「自分は弱かったから何回も落ちたり上がったりしただけなので。彼の場合は元々実力があるし、幕内にも上がってる。


色々な記録があるけれど、今回は年齢を重ねてもう一度這い上がってきたところに一番価値があると思う」と評価した。

平成14年入門の嶋田氏は初土俵以来22年間休場なく、連続出場を1014回続けている。
「自分は怪我で頭から当たれなくなり、29歳で引退した。嶋田氏も小さな体で首とか腰とか痛めてるはず。でも大きな怪我は若い頃からしてこなかったと思う。なぜなら怪我をする相撲じゃないからね。


小兵でも下がって潜って投げとかでなく、あくまでも正攻法で戦ってきた。それは良い部分でも悪い部分でもあったかもしれないけれど、その愚直に貫いてきたことが今に芽吹いてるんではないか」

後編では、足立氏がかねてから疑問だと言う嶋田氏の互助会での扱いについて解説する。