前回は、タイガーマウンテンロッジにおける3日目までの出来事を書いた。今回も3日目からの出来事から始める。
 
3日目の午後にハイウエイまでの坂道を往復した。このことは、前回述べた。実は、同じ日の午前中に、みんなで自己実現の丘に行った。
 
そこはロッジの少し下方にある。ハリーの案内で山道を下ると、途中1か所に平らな場所があった。そこには大きな木が1本そびえ立ち、下り方向の左手側の斜面には牧草が生えてた。


 
下り方向の右手側は崖で、そこからヒマラヤの山々が見える。その山に向かって、自分がなりたい姿、達成したい願望を宣言した。
 
実はこれと同じワークを八ヶ岳でも行った。それも夫美子さんのワークショップだったが、彼女はこちらがオリジナルだという。
 
ヒマラヤの景色と似た場所を日本で探した結果、八ヶ岳に行き着いたとのこと。もっとも、八ヶ岳では、橋の上から叫んだので、丘には行かなかった。
 
八ヶ岳の山には竜神様がいる。ヒマラヤの山には、どんな神様がいるだろう。恐らく、クリシュナとか、ガネーシャのようなインドの神様ではないか。そんなことを思いながら、何を叫ぼうか考えていた。
 
前日にカリカ小学校まで徒歩で往復したので、すでにエネルギーの状態は高かった。エネルギーの高い状態で、ふと思い浮かぶことは、真我からのメッセージである可能性が高い。
 
そう魔女に教わったが、その時、「世界」という言葉がフッと頭に浮かんだ。さらに続けて、「もう1度世界に出たい」という思いが沸き上がってきた。
 
その瞬間、「俺はもう1度世界に出るぞー」と叫んでいた。でも、何のために?
 
すると今度は、日本の良さを世界に伝えたいという気持ちが沸き出てきた。それで、
 
役目があるのなら、日本の良さを世界に伝えるために、俺を使ってくれー」と叫んだ。
 
他のことも叫んだが、自分自身についてはこれがメインだった。みんなも、自分のこと以外に家族や友達のことなどを祈ったり、叫んだりしていた。
 
これで今回のツアーの1番の目的を達成できた。自分の方向性が見えたのだ。
 
網膜剥離で会社を辞めた後は、海外から遠ざかっていた。内に籠って、すでに諦めていたと言った方が正確かもしれない。
 
しかし、今回ネパールに来て、すぐに現地に馴染めた。また、英語もスムースに口から出てきた。山道を駆け上る体力もあるし、まだまだいけると自信が蘇ってきた。
 
この後、世界に出るという決意に追い風が吹くような出来事が起きた。一つは、前回述べた、道で出合った小学生達との交流だ。
 
前回は書かなかったが、1人の女の子が教科書を見せながら、「カブールはどこの国の首都か」と聞いてきた。「アフガニスタン」と答えたら、その他の首都についてもいくつか質問された。
 
たわいないやりとりだった。だが、知らない国の子供達から好かれたことは幸先がいい。再び世界に出て、日本の良さを伝えるのに、警戒されるようでは話にならない。だから、それは天からの祝福のように感じられた。
 
翌朝には、さらにうれしい経験が待っていた。ロッジでの最終日は、朝食後自由行動になった。昼食を食べてから空港に向かうので、2時間以上やりたいことに使えた。
 
私は自己実現の丘を逆から辿ってみることにした。前日ハリーは、自己実現の丘からの帰り道に、行きとは別のルートを選択した。
 
民家の裏や庭先を抜けて、ハイウエーに続く坂道に出て、そこからロッジに戻った。その日の午後、私はその坂道を往復したのだが、実は帰り道でハリーのコースを逆に辿ろうとした。
 
けれども、似たような脇道がいくつもあり迷ってしまった。結局、その日は逆コースを辿れなかった。
 
ロッジの近くの民家は、全て斜面の上にある。なので、幹道から斜面に入る脇道がいくつもあり、住民はそこを登って自分の家に帰る。けれども、脇道はどれも同じように見えるので、間違いやすいのだ。
 
それで、今日こそはと思いながら、ハリーが選んだ道を探した。1本目は間違えたが、2本目に正解を見つけた。
 
そこを登ると、斜面を平らに切り取った感じの場所に出た。段々畑の大きいものを想像してもらえればいい。そこに昨日見た家がいくつか距離を置いて、ポツポツと並んでいた。

リーは、民家の敷地を挨拶しながら突っ切って行った。だが、知り合いだからこそできる芸当だ。私が勝手に民家に立ち入るわけにはいかない。

しかし、そこには畦道のような細い道しかない。なので、畑と思われる場所に踏み入らないように注意しながら歩いていた。すると、遠くから白髪の男性がネパール語で話かけてきた。
 
わからないという顔をすると、相手が英語に切り替えたので話すことができた。「どこから来たのか」などを聞かれ、当たり障りのない会話をした後、彼が手招きするので彼の家に向かった。
 
家には彼と息子がいた。庭に椅子を出してくれたので、そこに座って2人と話した。彼の名前をきいたが、とても長くて覚えられない。年もきいたが、私より3つ若いのには驚いた。どう見ても年上に見えたからだ。
 
彼は出稼ぎでマレーシアやアメリカで働いたことがあるそうだ。しかし、今はネパールに戻って暮らしてるという。また、友人が日本でネパールレストランを経営してると話してくれた。
 
彼の息子は、今ポカラの学校に通っていて、調理師になるのだという。フェースブックもしているので、アドレスを交換した。
 
しばらく話した後に、席を立とうとすると「お茶を飲んでいけ」という。うなずくと、家から奥さんが出て来てお茶をご馳走してくれた。
 
それからまたしばらく彼らと話した後、お礼を言ってそこを後にした。少し歩くと、畑に突き当たり、どこが道だかわからなくなった。近くに女性がいたので道を尋ねると、彼女は英語を話さなかった。
 
しかし、私の言いたいことはわかったようで、道を指し示してくれた。見ると、畑から1段下がったところにすごく細い道があった。彼女にお礼を言って、その道を歩き出すと呼び止められた。
 
振り向くと、木になった果物を指差して持って行けという。言葉はわからなかったが、確かにそう思えた。実際、彼女は果物を数個木からもぎ取り、私に手渡してくれた。
 
この果物は、昼食の時にロッジの人に切ってもらい、みんなにシェアした。黄緑色でカボスぐらいの大きさだが、ミカンではない。実は堅めだったが、とにかくおいしくいただいた。
 
それにしても、初対面でお茶はご馳走になるわ、果物はもらうわで、本当にこの辺の人は親切だなと思った。しかも、この親切の連鎖はまだ続いた。
 
教えてもらった道を進んでいくと、途中で道が切れた。そこで斜面を登って上の道に行こうとしたら、またしても呼び止められた。今度は2人の若者で、両方とも英語を話した。
 
彼らは、私の道案内をしてくれるという。彼らの後方には先ほどの女性が見えた。もしかしたら、彼女がそうするように彼らに頼んでくれたのかもしれない。
 
とにかく、お言葉に甘えて、彼らの後を付いていった。彼らはさすがに慣れていて、道がないようなところも平気で突き進んで行く。結果的にハリーと通った道の1本上の道に出た。
 
こうして無事に自己実現の丘に辿り着くことができた。彼らにお礼を言って別れた後、もう1度ヒマラヤの山々を眺めた。
 
白くそびえ立つ雄大な山脈は、昨日と変わらず美しかった。それを見ながら、先ほど出会った人達のことを考えていた。何で親切にしてくれたのか不思議だった。文字通り有り難いことで、まるで上から守られているようだった。
 
あるいは、自分の波動が引き寄せたのか?エネルギーがすごく上がっていたので、優しい人達を引き寄せたのかもしれない。
 
とにかく初めての土地なのに、親切にされたイメージしか残っていない。これなら、世界中どこへでも躊躇せずに出かて行ける。世界に出ると決意した私には、本当に値千金の経験だった。
 
ロッジで夫美子さんにこのことを話したら、彼らとは、過去世で縁があるのだろうと言われた。どう考えてもできすぎな出来事だったので、それもありだと思えた。
 
今は、自己実現の丘で宣言したことに天からゴーサインをもらったと感じている。だからというわけではないが、明日11月1日に上海に旅立つ。そこに3日まで滞在する予定だ。
 
今回のネパールの旅とは全く関係がない。しかし、世界につながる出来事が待っているのではないかと、少し期待している。
 
上海への渡航はスピリチャルが目的ではない。けれども、もし不思議なことが起こればシェアしたい。
 
過去世と曼荼羅の記事は、来週アップしたいと思っている。乞うご期待!!