メイクや女装に関心持ち始めたアレックスは、1カ月後にはとうとう自分でメイク道具や下着、衣類を通販で調べ、買うようになってきました。


私自身のこれまでの印象では、一度女装や女性化に目覚めてしまった場合、趣味で済む人もいますが、どんどん女性化に進む人の方が圧倒的に多いような気がします。アレックスとはボーイフレンドとしてお付き合いしてきたし、その時まで身体の関係はあったのですが、過去の自分と重なるので、彼を応援したい気持ちになり、一緒に調べたり、アドバイスしたりするようになりました。


そんな折、彼が女装する時はアリシアという女性名で呼んで、と言ってきました。前々から自分の女性名を考えていたようです。分かったわ、アリシア、と早速呼んであげました。


しばらくしたある日、彼の家に呼ばれました。アリシアはレディースのパーティドレスをまとい、メイクしていました。スラっと背の高いラテンアメリカ系美女のように、驚くほど美人に変身していました。


トシ、私の姿はどう?と聞いてきたので、アリシア、とっても美人よ!ラブリー!って答えました。トシ、ありがとう、愛してるわ。


私は何もメイクせず、割と男子っぽい格好で行ったのですが、今までの私達の関係と逆になり、とても変な気持ちになったのを覚えています。また、女装したアレックス、つまりアリシアには性的な興味が沸かず、この時、もう私達の間柄は友達関係になったと思いました。


アリシアもそれは分かったらしく、性的なものは求めてきませんでした。そして、アリシアは言いました。真剣に女になりたい、と。


それは展開早すぎだろ、とツッコミたくなりましたが、もともとBLや女装子、男の娘のコミックを読んで興奮していた彼なので、抑えていた欲求が一挙に出てきてしまったんでしょうね。


ただ、彼(彼女?)の意気込みは伝わってきたので、しばらくは同じ方向性を持った友達として応援していこうと思いました。