昨日、櫻坂46の3rd Tour Final(大阪城ホール)を見た。

 

 渡邉理佐が卒業し、櫻坂46は追わなくなっていた。もう追うことはないと思っていたし、まぁMVくらいは見るけど『そこ曲がったら、櫻坂?』もライブもこれからは見ないだろうと思っていた。だから3期生は誰もしらない。

 

 なのに藤吉夏鈴センター「Start Over」で覆された。素晴らしかった。3rd Tour Finalの大阪城ホール。見た。「Start Over」のライブ初披露ともなったが、それも素晴らしかった。

 

 「鮮烈」。その言葉がぱーっと広がっていく。

 「Start Over」と「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」は鮮烈の一言だった。世界が瞬間的に塗り替えられてしまう。その瞬間に立ち会うような感じすらする。しかも、「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」のMVが公開されたのは2020年11月18日。そこから2年半たって、経験も積んできて、それでも鮮烈さが失われないことに驚く。監督が同じ加藤ヒデジンだからかもしれないが、ライブでも感じるのだから監督の手腕だけに還元はできない。

 いままで見たことのない表情が瞬間的に現れる。映像全体の光度が一気に上がる気がする。

 普通、笑顔になるにしても前後関係があり、文脈がある。流れがあり、必然性がある。けれども藤吉夏鈴の笑顔は、その前後関係や文脈を切断するような気がする。唐突に、突発的に。不意に強い電流に弾かれるみたいになる。そして世界を塗り替えてしまう。別の世界への瞬間的な跳躍のようにも思える。

 

 ライブ初披露後、挨拶で、藤吉夏鈴は言葉につまりながら「『Start Over』という楽曲の中で、力強く、すごく自由に生きることができて、幸せでした」といった。

 とても正確な言葉を持っている人だと思う。

 「Start Over」と「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」(それだけではないかもしれないが)という楽曲のなかで、その世界の中ではじめて「力強く生きられる」「自由に生きられる」そしてそれが「幸せだった」と涙を流す。その数分間、別の世界にいる。そうした世界の存在を見ているものにまざまざと感じさせる。そんなMVとライブだった。

 

 そういえば生駒里奈も『制服のマネキン』で別の世界にいたのかもしれないなどと思ったり、櫻坂46にとってこの6thシングルの重要さとか、いろいろ思うこと、感じることはあるけれども、とりあえず直後の感想はこのくらいで。

 

 それにしても何かが破裂したみたいだった。