2019/02/12起稿

詳細の整理は前項で。


ここでは大づかみに。構造的に。
 

■外部
 死。
 黒い羊の自死か?平手はそれをみている。

■第1の部屋
 具体的な世界。一人ひとりの社会的状況がはっきりしてる。その場における強い攻撃性。その攻撃されているのはほぼ全部のメンバーじゃないか。
 この排撃され、攻撃されている各メンバーは潜在的な「黒い羊』だと言っていい。

 社会に蔓延する対立と攻撃と暴力。

■回廊1
 第1の部屋の延長にあるが、ここで大人たちの平手への攻撃が始まる

→「ぜんぶぼくのせいだ」

 平手が、平手一人だけが「黒い羊」として弾き出される位置に、ここで立ち始めるということだろう。→第2の部屋。


 同時に失われた世界が垣間見える。
 ここで花を失う。

■第2の部屋
 花を持たずに入るが、一人平手がすべての拒否を受ける。(回廊での大人たちからの平手への攻撃との関連はわからないが、大人の攻撃が先行していることは事実としてある)


 みんなの社会的役割が消えている。具体的な状況がきえ、同時に、第1の部屋で攻撃されていたメンバーはいま攻撃されていない。
 世界の蔓延していた暴力は大幅に減っている。

 この段階で、白い羊のふりをするものたちと平手との2項対立の構図ははっきりと生まれている。

 平手が取り残される。
 小池らが引き止めた意味は何か?→屋上では抱きしめるんだ。

■階段
 失意の平手。
 花を受け取る。
 聖なる空間にみえる。この花は平手の魂のようなものか。

 ※cf 真木悠介の旅のノート。聖母マリアの血潮に花が咲く。→次項

■屋上
 シーンは4つくらいに分け得たほうがいいか。
1.全員、平手の方を向いている。基本的にそれは白い羊の世界だ。あの駆け出した延長線上の姿。いったんは完成した二分割。

2.しかし平手は小林由依の前に立つ。動き出す。平手が集団の前に、小林の前に立つことを引き金に音楽が始まる。世界が動き出す。

3.強い抱擁の連続。
 しかしそのあと、この抱擁した人々は白いひつの側に走り去っていく。それは確定はされていないが、予感はされている。いやほぼ確定しているが、最終的に決定していないという段階か。(最後は平手への公然たる暴力が引き金を引く)

 あのとき、万感を込めて平手を抱きしめていたんじゃないか。ゴメンね、さよなら、私はあなたの側にはいられないの、本当にごめんなさい…そんなことが入り組んだ感情。

4。平手への暴力。大人の、力あるもの。
 そして全員が白い羊化。このとき多くのメンバーが誰かと手に手を取って走っている。平手への対応と対比すると強い疎外感がある。
 平手は弾き出される。いや、平手自身が反対側に走り出す。偶然ではない。

5.黒い羊として弾き出された平手。この時点ではあの墜死した黒い羊(仮設)と同じ立場かもしれない。
 しかし平手はここで一歩前に進む。
 平手は自分が黒い羊として弾き出されることに抵抗し、同じ仲間じゃないかといってみたり、許しを希ったりしない。むしろ昂然と僕はここで悪目立ちしていよう、という。
 黒い羊としての存在を引き受け、居直り。
 こことはどこか?
 白い羊たちの眼差しの中だ。

 もう新しい黒い羊は出さない。
 小池、石森、渡辺、小林、佐藤、君がたちが黒い羊にされることはないんだ、なぜならぼくがここで悪目立ちし続けるんだから。だから君たちがそこにいたいならそれでいいんだ。 石森、小池、佐藤たちへの強い愛情を平手は持ち続けている。
 そんなメッセージが聴こえる。
 だから平手はここから退かない。死ぬ道は選ばない。




■大構造
 分散する暴力。不安定な関係。混沌、無秩序。
 暴力の平手への集中。同時に社会が析出してくる。
 第3項排除の構造的暴力が働いている。社会が黒い羊を必要とする。社会生成の根源的な暴力。社会存在論的暴力だ。
 であれば、平手が「ここ」を去るならば、次の「黒い羊」を社会は生み出す


■第3章へ
 1章、死んだ黒い羊。(冒頭部分)
 2章、平手が黒い羊にされる。(MVの全体)
 3章、黒い羊を生み出したの構造の変更。(MVが予示する世界)

 平手が石森、小池らに愛情を持ち続けていること、そして石森、小池らが平手への愛情を持ち続けていること。それがどこかでスパークするならこの構図は崩壊する。
 白いふりをしている羊たちがほとんどすべてなのだ。それを自覚もしている。だからこそ「白いふり」を全力でやる。
 羊たちをコントロールしている<力>=大人たちは力はあっても、実はごく少数なんだ。

 だから小池が一歩前に、全体よりも、前に進み出たら、構造は崩れるかもしれない。
 あの分割の前の抱擁は、その可能性を強く感じさせる。彼女たちは平手への強い愛情をもちながら白い方に走っただけなのだ。平手が悪目立ちし続け、彼女たちが一歩前に歩み出たとき、第3章が始まる。それは1章への回帰ではない。