みなさん、こんにちは。
とし総子です。
 
 
 
本当は今日、seko koseko先生の『マダムたちのルームシェア』を
紹介したいな、、、と読み始めようとしたんですが、
先にこっちの本を手にしてしまったので、
こちらはまた後日、、、
(よければ、楽しみにしてください!(^.^)」)
 
 
じゃあ、何故にこの漫画を手に取ったのかといいますと、
今日とってもおしゃれなお友達が急遽遊びに来てくれることになりまして!
 
最近彼女が私のおすすめする本を借りて帰ってくれるので、
何か今日もおススメしたいな~と
本棚を見ていたら、
見つけてしまった、というわけです。
 
(『マダムたちのルームシェア』もめっちゃススメたい!!)
 
 
 
今日ご紹介しますのは、
高野雀先生の『あたらしいひふ』です!
 
そう、
私が前にご紹介しました
『13月のゆうれい』を描かれた漫画家さんです。
よかったらこちらも~

 

 

 

さて、ここから『あたらしいひふ』の紹介を

 

 

 
 
この一冊に、
群像劇で描かれたお話が三つ入っています。
 
一つ目が、表題作の『あたらしいひふ』です。
同じ会社に勤めている四人の女性たちの抱える、
着ている服に込めている願いや、
あきらめ、
見つけてほしい欲求が
短く視点を変えた物語の積み重ねで描かれていきます。
 
どの雑誌を見ても、
服を選ぶのが面倒な(もしくは、苦痛な)人間のための服を紹介してくれていない、、、
とため息をつく、
服を制服化している高橋さん。
 
学校の制服に対して不服が溜まりまくっていた渡辺さんは、
はじめてバイト代をつぎ込んだワンピースにすべてを救われたことがある。
でも、今、好きな服を着ているのに
時々息が詰まる。
それは個性のみえない服を着ている人は、
苦しくなにのだろうか?
 
無難なこと、ふつうのことが似合ってしまうから、
好きな服を選べない受付嬢の鈴木さん。
誰かに「普通じゃない」と指をさされることを恐れてしまう自分に、
げんなりしてしまう。
 
清く、正しく、ありのまま、ではきれいになれない。
学校にいるころから、自分を可愛くしてきた田中さんは、
この武装を自分の弱さだと、感じている。
長い爪も、派手な服装も、多数の人には受け入れられない「かわいい」であることで
強く見せているだけで、本当は。
 
 
四人は、それぞれにお互いのことを意識していて、
それが自分の気にしている部分、不満に感じているものを
知るきっかけになっていきます。
 
ラストの、彼女たちの寄り合う姿が
なんだか凛々しくて、
かっこいいのです。
 
服が好きな人!
是非読んでみてください!
 
 
 
二つ目は、
学生たちを中心にしたオムニバス。
 
それぞれのコンプレックスと、
だからこそ他よりも深く掘ってしまっている内側の穴を、
隠したい気持ちと、
どうだ!と見せびらかしたい気持ちが
揺れ動く物語です。
 
私は特に、
体に黒子がたくさんあることを悩んでいる女の子と、
その黒子が星座のようだと感じている男の子のお話が好きです。
 
仲良しの三人組の女の子たちは、
分かり合えない部分を隠し合って、
自分の自意識を持て余して、
それでも真摯にそこにいる姿が
かわいくて、かわいそうで、やっぱり可愛いです。
 
 
 
 
三つめは、
学生の頃からの友人である男三人の飲み会を、
時間で区切って描くオムニバス。
 
結婚して、家を建てて、子供も生まれるサラリーマン。
と、
そのサラリーマンがまわした仕事がきっかけで会社を興した社長。
と、
ふつうに生きられていることを羨む学生の頃の雰囲気が抜けない男。
の三人のすれ違う感情と、
それでもこの距離でこれからも友人でいたいという
切実な願いが描かれています。
 
(こちらはちょっとBLの香りが漂う場面があります)
 
口には出さないけれど、
お互いのことを羨むくらい尊敬している部分があるこの三人には、
いつまでもこうして飲み会をしていてほしいと思っちゃいました。
 
 

 

 

あとふたつ短いお話が載っていますが、

こちらは独立したお話です。

そしてちょっと痛々しい描写があります。

(ラストはほのかに明るいですが)

 

 

高野先生の描く人たちは、

自分のことを卑下しすぎないところがとても好きです。

悩むし、

妬むし、

うじうじもするのですが、

でも私はわたしでいたい!という気持ちが強く根底にある人物を描いてくれるので、

読んでいて気持ちがいっしょに少し強くなる気がします。

 

 

まだ前作読んでいる漫画家さんではないのですが、

これから少しずつ集めて読んでいきたいと

この一冊を読んで思いました。

 

 

 

 

一冊で、

いろんなドラマを見られる『あたらしいひふ』

是非読んでみて下さい!

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

 

このブログでは、私が読んで面白いと感じた作品を紹介しています。

 

あたらしい本との出会いの場になれれば、うれしいです。

 

お時間ありましたら、是非また寄ってみて下さい。

 

それでは、(できましたら)また、次の一作で!