ウォッカの本来のかたち「パルガール(Polugar)」 | さりげなく★スローフード

ウォッカの本来のかたち「パルガール(Polugar)」

昨年のRussian Gusto2014 で、佐々木紀子の誕生日がちょうど会期中に重なったため、誕生日のお祝いをスタッフにしていただきました。


お祝いに、とスローフード・ユリチカ(モスクワ)のヴィークトルさんがくれたのが、パルガール(Polugar)。
「これは、われわれにとって特別なものなんですよ」という。飲むと、ウォッカよりはまろやかで甘く、こくがあります。


Polugarは、18-19世紀から伝統的な製法とレシピを用いて命を吹き込んだ真に伝統的なロシアのブレッド・ワインです。
過去120年間生産されず、38.5%のアルコール度数で、ライ麦パンの香りがし、柔らかい感じの味がします。

http://www.polugar.ru/eng/polugar

蒸留酒は、ロシアでは当初、厳しく管理されていました。
最初のモスクワの居酒屋は、Oprichniki(イワン雷帝の秘密警察)のために予約されているだけだったと言われています。
しかし、やがてSyrnikovがテレビのクルーで紹介することになる方法で、国中で作られるようになりました。

長い間、ウォッカはウィスキーと似たようなものでした:かつて用いられていた穀物の味わいと匂いが強く、「ブレッド・ワイン」と呼ばれていました。
20世紀までは、ハーブやベリーを使ったブレッド・ワインだけが、ウォッカと呼ばれていました。
私たちが現在ウォッカとして知っている結晶質の、特徴の無いアルコールは、19世紀後半に現れたものです。
君主制時代にアルコールの生産を独占し、自家製のブレッド・ワインで不純物を除去し健康に配慮した処置を施した産品を市場に出したものです。
http://www.newyorker.com/books/double-take/from-bread-wine-to-vodka

ブレッド・ワインというのは、日本ではまだまったく紹介されていないようです。
それが、ロシアにおける、ウォッカが普通に生産され国中に広まる前の元となるアルコールだというのですから、まだまだ世界は広いです。

それを、ロシアでも徐々に復活させていこう、としているらしいです。
いただいたパルガールは、度数は40度近いですが、確かにウォッカよりマイルドで甘く、こくがあります。

適切かどうかわかりませんが、一昨年の韓国で行われたAsiO Gusto2013で、韓国の清酒について聞いたセミナーに通じるものがあるような気がしました。

韓国の伝統酒のワークショップ@AsiO Gusto 2013
http://ameblo.jp/toshi-shun/entry-11645048938.html