ビジネスにも歓喜の瞬間を! | 人材育成・組織マネジメントの引き出し

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銀座コーチングスクール(GCS)東銀座校です。東銀座校では、ダイバーシティの時代、価値観の多様性を受け入れられる組織づくり、                  それに伴うマネジメント論、心理的安全性、コーチングなどを探究しています。

 

①こういう企業とは仕事をしたくなかった

2008年、私は戦略コンサルタントとして独立起業しました。

松下電器産業(現:パナソニック)で、戦略の大失敗から「ビジネスの原理原則」を学び、ノートパソコン、携帯電話、カーナビゲーションをそれぞれ国内シェアNo1に導いた実績を武器に、多くの企業の戦略策定に携わってきました。

しかし、取引企業数が増えるにつれて、私には「苦手な企業像」が芽生えてきました。

それは、プロジェクトメンバーがやらされている感満載の企業。

メンバーがやらされている感満載では、たとえ優れた戦略を描いても、実行フェーズで成果が挙がらないためです。成果の上がらないプロジェクトをいくつか経験することで、こういう企業群はどうしようか?と思うようになったのです。

 

②苦手意識を克服するために

やらされている感満載の企業からの依頼を受けるべきか否か、と悩んではいたものの、世の中は、リーマンショック、東日本大震災と日本経済に打撃を与える事象が続き、選べる立場ではないと感じた私は、メンバーがポジティブになれる仕掛けを探しました。

そこで出会ったのがコーチングでした。プロコーチの資格を取得後、やらされている感満載の企業と出会った際には、コンサルティングと並行して、プロジェクトメンバー一人ひとりとコーチングセッションを実施するようになったのです。

なりたい自分が具体的になると、やりたいことが明確になる。

コーチングセッションを通じて、メンバーのモチベーション向上を促し、プロジェクトを活性化していきました。

 

③打ち上げで歓喜の瞬間が!

当時の取引先の1社から、新規事業としてサービス開発の依頼をいただきました。

プロジェクトメンバー4名はやらされている感満載!

いつものごとくプロジェクト進行とともに、コーチングセッションを開始。

実は、皆、商品が大好き!お客様が大好き!な幹事の良い人ばかり。

お客様のありたい状態と、お客様と関わる社員自分たちのありたい状態を

具体的に描くことで、「オンリーワンになれる!」ビジョンが出来上がったのです。

そこから先は、4名が水を得た魚のごとく、

協働関係のもと、自発的に業務に取り組み始めました。

 

そして迎えた新サービス導入説明会。

新サービスを各店舗に導入するために社員に集まっていただき、説明会を実施しました。

4ヵ月前のやらされている感の面影は全く無く、

そこでは意欲あふれる4名がプレゼンテーションを実施、

各店舗側からの質疑にも的確に対応し、合意形成を得て、無事終了しました。

その後、社長、部長、メンバー4名とプロジェクトの打ち上げ。

その場で目撃してしまったのです。

彼らの達成感満載の喜びと笑顔を。

これが私の待ち望んでいた歓喜の瞬間でした。

 

④ビジネスにも歓喜の瞬間を

話は変わって、私の趣味の話です。

私の趣味は、スポーツ観戦、映画鑑賞、音楽鑑賞です。

感動しやすい性格で、感極まって涙を流すことがよくあります(笑)

娘が小さい頃は、一緒にテレビドラマを観ながら、

「そろそろお父さんが泣く頃かな?」と娘に期待されるほどでした(笑)

 

感動とは、スポーツや音楽の世界に限った話ではない、

ビジネスの世界にも感動があってよいではないか、が私の持論です。

スポーツ選手も音楽家も皆、プロ。

ビジネスも「プロ」という言葉を使うか否かは別として、

プロ意識を持って仕事に取り組んでいることでしょう。

 

プロであれば、目標達成の瞬間は歓喜の瞬間であっても良いでしょう。

実際、私がこれまでに取り組んで来たコンサルティング、ワークショップでは、

目標達成に至り、プロジェクトメンバーの「喜びと笑顔」があふれる歓喜の瞬間に

何度も立ち会ってきました。

 

⑤育てながら勝つ!

歓喜の瞬間に導くためのプロセスは次章以降でお伝えしますが、

事業責任者の皆様にお伝えしたいことはひとつ。

歓喜の瞬間を導くためには、事業責任者が

「メンバーの心をひとつにする働きかけ」

を怠らないこと。

 

そして、メンバーの心をひとつにするために

「育てる」ことを怠らないこと。

「育てる」のは戦略思考面とモチベーション面の2点であることを忘れずに。

 

プロスポーツ界でよく使われる言葉に、

「育てながら勝つ!」

があります。

 

決して、スポーツ界だけに通用する言葉ではありません。

ビジネスの世界でも、「育てながら勝つ!」を実践していきましょう。