ごきげんよう

L2

子どもの頃のLithiよ。

家族3人で小さなボートに乗って命がけで戦争から逃げてきて

難民キャンプで数年過ごした後

日本に導かれて

ようやく人間らしい生活ができるようになった頃の写真なの。

父親は工場で働いて、母親はお弁当屋さんでパートをして

生活を支えてくれた。

ものすごーーーく貧しかったけれど、そこには愛と希望があったのを覚えているわ。

新しい土地で生きていくために、日本語をがむしゃらに学んでいた父と母・・・

そんなふたりの背中を見てきたから

あきらめなければ、人生はなんとかなる

って信じているわ


今日のテーマは『家族』について。

僕は子どもの頃、おじいちゃんとおばあちゃんのいる他の子たちが羨ましくてしょうがなかった。

戦争で親戚はみーんな離ればなれになってしまったからよ。

従姉妹はカナダに亡命して

おばあちゃんはアメリカに行って

おじいちゃんはタイで行方不明になった・・・

人と人のつながりを否応なく引き離す

それが戦争というものの現実なの。

「おばあちゃんからお年玉もらっちゃった~」

なんて話を他の子たちが話しているのを聞くと、めちゃくちゃ羨ましくて、自分が惨めにも思えたわ。

そんな事に寂しさを感じているなんて親には言えなかったけれど・・・

僕がおばあちゃんと出会えてゆっくり話ができたのは、僕が十代になってから。

彼女はカリフォルニアに住んでいて、僕はひとりでそこを訪れたの。

どんな人なんだろう・・・

って思っていたけれど、ものくごーーくファンキーな人でびっくりしたのを覚えているわ。

おばあちゃんは情熱的なハグで僕を迎えてくれた後

「あなたに紹介したい人がいるのよ」

って言われて数分後に現れたのは、女装をした男の人。

「この人はアタシの友達。この人がカリフォルニアのゲイタウンを案内してくれるわよ。せっかくだから、色んな場所に行ってきなさいよ」

と、彼女のゲイフレンドを紹介してくれたのでした。

当時の僕はまだ自分がゲイである事をカミングアウトしていなかったら、不思議な気分だったわ。

後から聞いた話では、おばあちゃんには霊感があって、僕がゲイであることは出会う前からお見通し・・・だったそうよ


その時僕が感じたのは

家族って

たとえ離ればなれになっていても

愛があれば

深い場所で繋がっていられるんだな

ってこと。

そう思えたら、幼い頃に抱えていた寂しさが、少しずつ癒されていった気がしたの・・・


残念ながら、そんなファンキーな僕のおばあちゃんは、数年前にこの世を去った。

今では天国にいて、もうこの世では会うことができない。

だけど彼女の愛は今でも僕の中で生きている

心の中では今でも彼女の情熱的なハグが続いている気がする

きっとそれが家族ってことなんだと思うわ

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今、僕の隣にはToshiが居る。

僕らの関係も

家族。

僕らは結婚しているわけではないし、子どもがいるわけではないけれど、

お互いのことを大切な家族だと思っている。


結婚という契約を交わさなくても、血のつながりがなくても、男どうしでも女どうしでも

そこに



があれば家族になれるんだと僕らは信じている。


世界には苦しみの種がたくさんあって

きっと人間って独りですべてを乗り越えられるほどタフじゃない。

だから、人生を支え合える存在が居ることで

僕らは逞しく生きていけるんだと思う。



たとえ離ればなれになったとしても

1000年先でも

心はつながっていられる

きっとそれが本当の家族よね