サイレントラブ
2024年作品/日本/116分
監督 内田英治
出演 山田涼介、浜辺美波、野村周平
2024年2月5日(日)、TOHOシネマズ渋谷のスクリーン1で、8時20分の回を観賞しました。
声を捨て、毎日をただ生きているだけの蒼。ある日、不慮の事故で視力を失い絶望の中でもがく音大生・美夏と出会う。何があってもピアニストになるという夢を諦めない美夏に心を奪われた蒼は、彼女をすべてから護ろうとする。だが、美夏に想いを伝える方法は、そっと触れる人差し指とガムランボールの音色だけ。蒼の不器用すぎる優しさが、ようやく美夏の傷ついた心に届き始めた時、運命がふたりを飲み込んでいく(以上、公式サイトからの引用)、という物語です。
「ミッドナイトスワン(20)」の内田英治監督の新作ということで気になってました。監督だけでなく脚本も書かれる方なので注目していたのですが、最近の「異動辞令は音楽隊!(22)」も観賞できてなかったんですよね。今回は浜辺美波さんも出演されているということで、絶対行こうと心に決めてました!
《短い感想です》
チャールズ・チャップリンの名作に「街の灯(31)」というのがありまして、もし未見の方がおられたらぜひ観賞をお勧めしたいのですが、サイレント映画なんですよね。目の見えない花売り娘に恋をする放浪者のドラマ。「サイレントラブ」を観ている間、ずっとこの名作のことが頭に浮かんできて仕方がなかったです。元ネタはこれなんじゃないですかね。
ちょっとこの話を成立させるには色々と無理が感じられるところがありますね。例えば、二人の男の違いをなぜ美夏は感じ取れなかったのかとか。でも、すごく綺麗に作られてはいるんですよね。映像の繋ぎ方、ガムランボールの使い方なんかも良かったです。山田涼介さん、浜辺美波さんお二人の透明感もピュアな話に相応しく、またピアノ音楽に酔えたりも。
なのでずっと映画の世界に浸ってはおれたのです。ところが後半30分になって、このドラマが突然に陳腐な青春アクション映画に落ちてしまうのです。そっちのほうが信じられない展開で。こうなるのは山田涼介さんの恋敵になる野村周平さんと周辺の描き方に難が大きい、雑だからなのかなと思いました。ちょっとラストのハッピーエンド感も無理矢理な気が。
基本、身分格差をベースにしたクラシックな恋愛話なのですが「街の灯」のような感動は味わえなくて残念。でも、決して不快な作品ではないです。
トシのオススメ度: 2
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