ナイブス・アウト: グラス・オニオン(Netflix) | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ジャンルや新旧問わずに週末に映画館に通っています。映画の感想から、映画がらみで小説やコミックなんかのことも書ければ。個人の備忘録的なブログです。


ナイブズ・アウト: 

グラス・オニオン(Netflix)


2022年作品/アメリカ/139分

監督 ライアン・ジョンソン

出演 ダニエル・クレイグ、エドワード・ノートン


2022年12月24日(土)の夜、自宅で観賞じした。


IT企業の大富豪がギリシャの孤島に友人たちを招待し、ミステリーゲームの開催を持ちかけるが島で実際に殺人事件が発生する、という物語です。


Netflixでの観賞になります。面白かったクリスティ風ミステリー「ナイブズ・アウト(19)」、こちら続編を望んでいたのですが、実際に進行していたんですね。しかも引き続きライアン・ジョンソンのオリジナル脚本で。今年は「ナイル殺人事件」のリメイクがありましたが本筋よりもバカっぽさが楽しめました。




《感想です》


  • この映画の面白さは、ストーリーテリング、語り方の巧みさと見せ方
  • 〝犯人は誰か?〟という謎解きは正直かなり弱く、大したことない
  • バディものなので探偵ブノワの影が薄くなるのは仕方ないところか


継ぎ目が無く開けられない大きな木箱が、政治家、研究者、ファッションデザイナーといった〝勝ち組〟とでもいうような人物たちのもとへ届くところから映画は始まります。差出人はマイルズ。マイルズは飛ぶ鳥を落とす勢いで成長するIT企業の最高経営責任者。何とか箱を開けることに成功すると中には一通の招待状が。


ということで陽光輝く美しいギリシャの孤島に、豪華クルーザーに乗って一癖も二癖もある濃いキャラクターたちが集まってくるあたり、そしてそのなかに変わり者の名探偵、ポアロならぬブノワ・ブランもまた招待されているあたりの雰囲気は、これまさに現代版のアガサ・クリスティものという感じでワクワクします。


果たしてこの孤島でどんな悪事が繰り広げられるのか?本作はミステリーですからネタバレ厳禁なわけで、あまり多くを語れません。しかしながらこの映画の面白さというのは、ストーリーテリング、語り方の巧みさと見せ方にあって、〝犯人は誰か?〟という謎解きは正直かなり弱く、大したことがないように思いました。


逆に言えば陳腐でありきたりな話でもライアン・ジョンソンの脚本と演出で、グイグイ引っ張られてしまいます。クリスティっぽいとは言いましたが、今回はポアロよりもヘイスティングスが活躍するような感じ。ホームズならワトソン。その分、探偵ブノワ・ブランの影が薄くなってしまうのは仕方ないところでしょうか。


〝グラス・オニオン〟はビートルズの〝ホワイトアルバム〟にあるジョン・レノンの曲で、映画では大きな透明のタマネギ型ドームを指しています。タマネギの皮を剥いていったらその中核にはいったい何があるのか?これはこのミステリーそのものの象徴ですが、まあ恐ろしく薄っぺらい中身のない奴らの話なんですね。


時間があったら軽い気持ちでご覧いただき、楽しむのがいいような映画です。





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この項、終わり。