ジュラシック・ワールド　新たなる支配者

ジュラシック・ワールド

新たなる支配者

2022年作品/アメリカ/147分

監督　コリン・トレボロウ

出演　クリス・プラット、サム・ニール

2022年7月30日（土）、TOHOシネマズ府中のシアター2で、10時30分の回を観賞しました。

ジュラシック・ワールドのあった島、イスラ・ヌブラルが噴火で壊滅し、救出された恐竜たちが世界中へ解き放たれて4年。人類はいまだ恐竜との安全な共存の道を見いだせずにいる。恐竜の保護活動を続けるオーウェンとクレアは、ジュラシック・パーク創設に協力したロックウッドの亡き娘から作られたクローンの少女、メイジーを守りながら、人里離れた山小屋で暮らしていた。そんなある日、オーウェンは子どもをつれたブルーと再会。しかし、その子どもが何者かによって誘拐されてしまい、オーウェンはクレアとともに救出に向かう。一方、ある目的で恐竜の研究をしている巨大バイオテクノロジー企業のバイオシンを追っていたサトラー博士のもとには、グラント博士が駆け付け、彼らはマルコム博士にも協力を求める（以上、映画.comからの引用）、という物語です。

「ジュラシック・パーク（93）」の公開から30年ですか。当時は私は広島市に住んでいたのですが、生まれたばかりの長女の面倒をママさんに任せ、先行オールナイトを観に〝アルパークシネマ〟までひとり車で観に行ったことを思い出します。とにかくリアルな恐竜の姿と迫力のデジタルサウンドに度肝を抜かれて大満足で深夜に帰宅。ニコニコしていた私の顔を睨んだ嫁さんの顔が怖かったです、笑（とても反省してます）

《感想です》

2時間半の間、恐竜たちの迫力ある姿をお腹いっぱい堪能することができました
さらにシリーズの最後を飾るに相応しく過去作のキャラクターたちが大集結
アフリカの密猟者たちのように利得のために同じことを繰り返す人間は愚か

いろいろと言いたいこともありますが、「ジュラシック・パーク」を引き継いでスタートした「ジュラシック・ワールド」三部作の最終章として、2時間半の間、恐竜たちの迫力ある姿をお腹いっぱい堪能することができました。もうそれに尽きるんじゃないでしょうか。この30年の映画技術の進化もあり、登場する恐竜たちの種類が陸から空に海にと格段に増えて、またその動きや人間との絡みも想像を絶するリアリティでした。

さらにシリーズの最後を飾るに相応しく過去作のキャラクターたちが大集結。「ジュラシック・パーク」から古生物学者のアラン・グラント博士、古代植物学者のエリー・サトラー博士、数学者のイアン・マルコム博士が登場して大いに活躍してくれます。もちろん「ジュラシック・ワールド」の恐竜監視員オーウェン・グレイディや施設責任者クレア・ディアリング、それにロックウッド財団創設者の孫娘メイジー・ロックウッドも。

この「パーク」と「ワールド」の人物たちがそれぞれに、巨大バイオテクノロジー企業のバイオシンの陰謀に迫っていき、その二つの流れがクライマックスに向けてひとつに繋がっていくという展開です。ちなみにこのバイオシンが遺伝子操作で創りあげた巨大なイナゴが登場するのですが、これが気持ち悪くて怖いんですよ。虫がきらいな私はこの大群が飼育されている実験室の様子とか、恐竜以上に見るのがいやでしたよ。

本作のサブタイトルは〝新たなる支配者〟ですが、映画の内容は〝共生〟なんですね。人間と恐竜の共生。前作からの流れで本作では恐竜たちがもう世界に広がっていて、いたるところに普通にいるのです。恐竜を密売しようとするハンターたちもいて、そこで人間は保護区を設けてそこに恐竜たちを集めているんですね。これはアフリカで、ライオンや象を狩る密猟者たちと同じ構図です。同じことを繰り返す人間は愚かですね。

遺伝子操作を使っての実験だとか、このジュラシックのシリーズはそこへの人間への警鐘もずっと鳴らしてきましたね。そういったことも含めて本作は集大成的な作品なのですが、そのぶん味が薄くまた過去作の焼き直し的なところも少なくないです。悪人は必ず成敗され、ろくな死に方をしませんしね。しかし映像が素晴らしいので、観ていて飽きることが全くないです。なので、ご覧いただけばきっと面白くて満足できるかと。

しかし、人間と恐竜の共存なんて本当にできるのかしらん。きっと人間に都合のいい恐竜へのおしつけなんでしょうね。