機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ジャンルや新旧問わずに週末に映画館に通っています。映画の感想から、映画がらみで小説やコミックなんかのことも書ければ。個人の備忘録的なブログです。

機動戦士ガンダム

閃光のハサウェイ


2021年作品/日本/95分

監督 村瀬修功

声の出演 小野賢章、上田麗奈


2021年6月26日(土)、TOHOシネマズ渋谷のスクリーン6で、10時00分の回を鑑賞しました。


「シャアの反乱」と呼ばれた第2次ネオ・ジオン戦争から12年。世界は変わらず混乱状態にあり、地球連邦政府は強制的に民間人を宇宙に連行する非人道的な「人狩り」を行っていた。そうした地球圏の腐敗した現状に、マフティー・ナビーユ・エリンと名乗る人物が率いる反連邦組織「マフティー」が立ち上がった。マフティーの正体は、かつて一年戦争にも参加した地球連邦軍士官ブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアだったが、そんな彼の運命は、謎の少女ギギと連邦軍大佐ケネスとの出会いによって大きく変化していく(以上、映画.comからの引用)、という物語です。


この映画は年齢層に関係なく一律1900円の料金なんですね。私は東宝系シネコンで1900円で鑑賞しましたが、松竹系シネコンなら本当は大人は会員料金1200円で鑑賞できるはずなのに、やっぱり特別興行ということで1900円の表示になってました。そんな特別興行と名打って、みんな1900円を出さないといけないほどの内容なのか?という感じですが、〝嫌なら見なきゃいいでしょ〟というのが興行側の理屈なんでしょうかね。


もろ、ファーストガンダム世代です


「機動戦士ガンダム」は、テレビ放送時から見ておりました。金曜日の17時00分からでしたでしょうか。部活がありましたので本来はこの時間帯はテレビを見られないはずなのですが、なぜか(雨か、テスト期間中かで)第1話の〝ガンダム、大地に立つ〟を見ることができ、これが中坊にはとんでもく面白くて、〝これは!〟と思ったものです。その後も虫食い的に見ておりましたが、見た回が全てわたしのツボにハマりました。


その後に再放送も見ましたが、やはり再編集の映画版が盛り上がりました。春休みに友人と「機動戦士ガンダム(81)」を難波まで見に行きました(〝松竹座〟かな)。その同じ年の夏には「哀・戦士編(81)」を、翌年の春には「めぐりあい宇宙編(82)」を梅田の泉の広場あがる〝梅田ピカデリー〟で鑑賞。当時はビデオがないので、アニメコミックス、サントラ(音楽とドラマ版があり)を購入しては自宅で反芻してました。


続編の「機動戦士Zガンダム」については、テレビ放送もたまに見ていましたが、後半はストーリーについていけなくて挫折しました。あとは、当時の熱気が嘘のようにガンダムから遠ざかっていたのですが、「Zガンダム」の三本の映画版と「逆襲のシャア」は観ており、あと安彦良和さんの「ジ・オリジン」はコミックを全冊購入して読みました(映画版は観てません)。なのでファースト繋がりでは結構な知識はあるのです。


▼ブライト・ノアとミライ・ヤシマの息子、ハサウェイ


高い技術でリアルさを感じる演出力


そして今回の完全新作!の映画「閃光のハサウェイ」は、このファーストからの流れを汲んでいるもので、「逆襲のシャア」からの続編ということなので、久しぶりに足を運んでみることにしたのです。皆さんの評価もそこそこ高いようですし、ハサウェイ・ノアの名前は「逆襲のシャア」を観てもちろん知ってましたので、あのわがままで自分勝手な青臭い少年が、大人になっていったいどんな物語を繰り広げるのかな?と。


しかし、まずは物語以上に映像のクオリティというのが凄いですね。ファーストガンダムの映画版が最後までテレビ映像と新作映像のツギハギだったのに対し、一から作り上げられた映像の美麗さに驚きでした。絵が綺麗というのはアニメにおいてはやはり評価の際の必須条件なんでしょうね。いやこれならばむしろ人間は実写のほうが安くあがるんじゃないかと思うくらい、人の動きや細やかなしぐさにリアリティがありました。


さらには、髪の毛の動きや身体に吹き出した汗、目尻にうっすらと浮かんだ涙とか、さらにはグラスについた水滴が手の上に滴り落ちるところとか、そこまで描くのか!と思うほどの細部へのこだわりですね。これは感動ものです。モビルスーツの戦闘シーンも、最近は全てコンピューターグラフィックを使うのですね。これらは全部、意図して描かれている創り上げられた世界なので、監督の想像力、演出力に舌を巻きました。


▼ギギはハサウェイとケネスの間でどうなるのかな


面白いのか?というと、次回に期待


そこまでリアルさを求めた作品で、中身はどうなんだということなのですが、これが〝うーん、もう一つ〟というのが正直な感想。面白いのか?、面白くないのか?といいますと、〝面白くなる前に終わった〟という感じ。冒頭の要人を乗せた旅客機内でのテロ、フィリピンのダバオ上空での市街空襲、ガンダム機同士での空中での戦闘など、これまたリアルで迫力ある見せ場もあるのですが、そこはメインじゃないのです。


実はこれは三部作とのことで(なんで三作に分けるのかな)、今回は3人の主要なキャラクターを描いていく序章の位置づけになっているのですね。そこが中心。ハサウェイが実はテロリストであることや自分たちのやろうとしていることの正当性や実現力に少し疑問を持っているかのようであること、地球連邦のケネスが良い人のように見えて実に汚い手を使うやつであること、ギギという女性が二人の運命に絡みそうなこと。


そうはいうものの、映画が終わっても分からないことも多くて。今、地球と宇宙ではどういう抗争が起きているのか。ダバオだけ見ているとみんないい感じで生きていて、あまり悪い世の中に見えないです。だから主人公ハサウェイがやろうとしていることに説得力がなく、今のところ彼のキャラクターも魅力に乏しいように感じるのですが。このドラマがどこへ向かっていくのかがまだ見えていないのは私だけなのでしょうか。


▼ケネスとハサウェイの対決は次回に持ち越しに


これが今様のガンダムなのですね。ぜんぜんリアルでなくても、新旧作画がツギハギだらけでも、昔のファーストガンダムのほうが面白かったと感じるのは歳をとったからかも。それに「逆襲のシャア」からの続編でも、アムロもシャアも出てこないのは、オールドファンには寂しいかなあ。私も今の時代に適応して、変わらなければ!ですね。でも今の若者たちには、これで面白ければ、それはそれでいいのかもしれません。


続きは乞うご期待ということですが、もう少しストーリーをテキパキ進めて欲しかったですかね。次回作もまた観に行きたいと思います。


▼入場者特典をいただきましたよー



トシのオススメ度:3
5 必見です!!
4 お薦めです!
3 良かったです
2 アレレ? もう一つでした
1 私はお薦めしません


閃光のハサウェイ、の詳細はこちら: 映画.com


この項、終わり。