これも懐かしい映像です。懐かしいというのは、この映像を覚えているからではありません。最近になって私は、集中的にチョン・キョンファの演奏(you tube なので音は澄んでいません)を聴いていますが、その中で見つけました。

[ご参考①] パガニーニのソナタです。

https://www.youtube.com/watch?v=EwBLrP47hnY&list=RDEwBLrP47hnY&start_radio=1

 

懐かしいというのは、この映像がメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲と同じく、1971年のものだからです。私が70余年生きてきて思うのは、懐かしさというものは、時系列を追って(古い記憶ほど)深くなるということです。その意味で、20代前半の時代背景は、私にとって、とても感慨深いものなのです。

 

チョン・キョンファの演奏が、現在、どのように評価されているのか、不勉強な私は何も知りません。また、人の評価を調べてみようという気もありません。ただ、私にとって、この演奏は、かなり好きな部類に入るということだけは確かなことです。

何が好きなのか?それは、私自身のヴァイオリン演奏(口の悪い友人によると、あれはただ凄まじいだけで、演奏ではないそうです)の原点に通じます。つまり、演奏技術よりエモーションを重視しているというところです。

 

そのお手本がヨーゼフ・シゲティです。彼のバッハ無伴奏やベートーヴェンの協奏曲を聴いて、私は、これこそ、演奏だと思いました。

[ご参考②] シゲティのベートーヴェンVn協奏曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=7nyKK44Mdm8

 

ここには、優美で気高いグリュミオーの響きはありませんが、最もベートーヴェンに近い魂の響きがあると思います。

[ご参考③] 以前、ヨーゼフ・シゲティについて書いた記事です。

https://ameblo.jp/tosh-tanaka/entry-10939957966.html

 

偶然かもしれませんが、キョンファは一時期、シゲティに師事していました。けれども、チョン・キョンファとシゲティでは、演奏スタイルが、まるで違っているような気がします。