重複しますが、少し詳しく説明するために、私の「マインド・ロンダリング」の定義を再掲します。

 

「企業、官庁、軍隊などの組織において、普通の善良な人間を犯罪に加担させてしまうのは、組織の特性として、上司の命令が絶対的な権威となるからである。絶対的な命令を受けた部下は、命令に従うことを、『正当な手段で生まれた良心と』みなして、良心に恥じることなく、平気で犯罪を実行してしまうことになる。これを、マインド・ロンダリングという」

 

組織の中には、クラブや同好会的なものもあって、そのような組織のメンバーは、お互いがフラットな関係にあります。けれども、そのような組織でも、対外的には代表者が必要となることもあり、組織としての意思決定もしなければなりません。

私が所属している東北農民管弦楽団も、団長がいて、所謂「三役」などもあります。そして団員は、日本独特の不文律や規約などによって、団長の命令や組織の意思決定に従わなければならないような仕組みになっています。つまり、ちょっとニュアンスは違いますが、有体(ありてい=ありのまま[コトバンクより])に言えば、上司と部下の関係が生まれてしまうのです。

 

もちろん、それは悪いことではありません。組織としての活動をするためには、必然のメカニズムだと思います。それは、普通の企業や官庁などと同様、適切なトップによってコントロールされ、また、そのトップが適切であるかどうかを監視する内部統制が利いておれば、何の問題もないのです。

ところが、一時期、大いに盛り上がった内部統制ですが、色々な組織における昨今の不祥事のことを考えると、どうも内部統制は、充分に浸透したとは言えない状態であるような気がします。残念なことであると同時に、組織が油断のならないものであることを、改めて認識せざるを得ません。