韓国文化や韓国語の勉強になるという言い訳をしながら、私は韓流ドラマを、一日に数時間は見ることにしています。もう、十年になりますから、これまでに見てきたドラマの数も、正確には数えることが出来なくなってしまいました。もっとも、集中力に乏しい私のことですから、食事をしながらや雑用をしながら見ることも少なくありません。

ですから、同じドラマを見ることもあるのですが、前に見たという記憶のない場面もよく出てきます。こんなことでは、ドラマ鑑賞としては下策中の下策だと言われても仕方ありません。実際、録画したドラマを再生しているだけですから、正面から韓国ドラマファンだということさえ憚られる状態です。

 

これでも、十年前、初めて韓国ドラマを見て、NHKの大河ドラマを遥かに上回る、そのスケールの大きさに驚いた頃、つまり韓流ドラマのビギナーだった頃は、一つひとつのドラマを、丁寧に視聴していました。

[ご参考] 初めて韓流ドラマについて書いた記事です。

https://ameblo.jp/tosh-tanaka/entry-10894211028.html

 

ビギナーとは、何もない空白の中に、新しい知識や経験を積み重ねていくということですから、最初の内は、それぞれを注意深く凝視し、丹念に吟味します。その結果、吸収力と記憶力が研ぎ澄まされ、見たもの聞いたことなど、ほとんどのことを覚えているものです。

記憶力に乏しい私も、最初の頃は、視聴した韓国ドラマは、ほとんど全部覚えていました。ところが、鑑賞したドラマの作品数が100を超えたあたりから、だんだん怪しくなり、もう今では、何か月か前に見たドラマでさえ、ストーリーはもちろんのこと、題名や出演者も想い出せない有様です。

 

ビギナーとは、登竜門を潜り抜けたばかりの人たちのことであり、そこから長い旅路を経て、所謂「ベテラン」の域に達するのでしょうが、何か、ビギナー特有の鋭い感覚というものがあるのではないかと思うようになりました。

飽きっぽい私などは、時間的な経過だけでビギナーとは言えなくなった物事が多いのですが、長時間に亘って真摯な努力を払い、一つのことに習熟した人たちは、道を究めることが出来るのだと思います。羨ましい限りです。