時代の潮流というものがあるとすれば、明日の、「山陽新幹線の予定運休」や「高校野球の予定順延」などは、その象徴的なことではないでしょうか。いずれも、大型の台風10号への、予防的な措置だそうです。

[ご参考①] 「台風10号」に関するニュースです。

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12145-371304/

 

それだけ、天気予報、特に台風情報が正確になったという証左かもしれません。科学技術の進歩に、感嘆の声を上げる人もおられることでしょう。一方で、新幹線や甲子園での観戦を楽しみにしていた人の中には、いとも簡単に決められたかのように思える今回のこの措置に、怠慢だとの恨み節を漏らす人もおられるでしょう。

確かに、これまでにも同じような意思決定があったかもしれませんが、あまりにもあっさりとした決定ではないかと、私も思います。これまでなら、実際に台風が来るまでは中止せず、状況を見て、いろいろな決定がなされていました。

[ご参考②] 台風による中止決定の事例を記事にしていました。二年前の京都の時代祭です。

https://ameblo.jp/tosh-tanaka/entry-12321488314.html

 

もちろん、あらかじめ運休や順延を決めておいた方が、いきなりの運休や順延よりも便利かもしれません。差し当たって、当日の混乱を避けることが出来ます。ただ、何もしなければ、混乱や安全は避けることが出来るのだから、安易な選択だと言えなくもありません。

 

これまで、このような判断がされなかったのは、それぞれ、オンとオフの間を、きめ細かく運用するところに、プロとしての矜持(きょうじ)があったからではないでしょうか。それを捨てても、混乱や安全を簡単に守れる方法が、ここにあったのです。

これからは、恐らく、同様のことが当たり前になる時代になるのではないかと、少し寂しく思いながらも、私は予想してしまいます。「0・1」とか「オン・オフ」が、曖昧(あいまい)の美学を嘲笑するような時代に、もうなっているように思うからです。