竹島問題を契機として韓国における反日感情が、かなり

高まっているとの報道があります。韓流ブームも根強いの

で、文化交流面では、それほど大きな影響はないようにも

思えますが、ヘイトスピーチの横行など、人間として哀しい

現象も起きています。

 この反日感情には、歴史があると言われています。私は

てっきり、この反日感情が生まれた歴史は、韓国併合から

太平洋戦争に至る時期に培われたものだとばかり思い込

んでいました。


 ところが、日清戦争の最中に訪朝したイザベラ・バードの

「朝鮮紀行」によると、韓国併合(1910年)以前から、朝鮮

では反日感情に満ちていたそうです。


 平壌の東南にある瑞興(ソフン)という「うらぶれすさんだ

町」で、「日本人が……この国の支配権はいったいだれに

あると思っているのだといわんばかり」に、旅行者のバード

の「肩に手をかけ、国籍と、いつこの地に着いてどこへ行く

のかをたずね」るために、彼女は「家宅訪問」を「何度も受

けたのです」。

 そして「この町でも、またほかのどこでも、人々は日本人

に対して激しい嫌悪感を抱」いていたと書いています。ただ、

その後すぐに「日本人が騒ぎを起こさず、なにを手に入れる

にもきちんと金を支払っていることを認めざるをえない。」と、

書き添えてはいるのですが。

 また、日本が行った朝鮮の改革も、「改革は断続的断片

的で、日本は枝葉末節にこだわって人々をいらだたせ、自

国の慣習による干渉をほのめかしたので、朝鮮を日本の

属国にするのが目的だという印象を、私の見る限り朝鮮全

土にあたえてしまった。」と言っています。それは韓国併合

の、十年以上も前のことです。