総務庁へのヒアリングの続きです。
行政機関の保有する個人情報などに対する公務員の守秘
義務を強化する動き(秘密保全法)より、もっと怖い話が出て
います。それは、「行政機関の個人情報保護法がマニュアル
処理情報を対象としていないのは、何故か」また「情報公開
法が対象にマニュアル処理情報を含むのに対し、行政機関
の個人情報保護法が含まないのでは、齟齬が生じる場合が
あり問題ではないか」という問いに対する回答です。
マニュアル処理情報では、確かに「電算機処理による大量
の個人情報を容易に検索、結合することが可能になること等
に着目し」なければなりません。けれども、この限定は、電算
機処理以外の手段であれば、法規制の対象外になってしま
うことを意味します。
そして、個人情報で最も危険なことは、官憲による思想調査
や言論統制に情報が悪用されないかということです。つまり、
これらの情報は、電算機処理で扱わなければならないほどの
大量情報ではないのです。
太平洋戦争以前でも、電算機処理の手段をもたない官憲は、
統制の邪魔になる思想の持ち主を逮捕し、露骨な言論統制を
行っていました。電算機処理ができるなら、それにこしたことは
なかったでしょうが、なくてもできたのです。
その上、秘密保全法を組み合わせれば、国民に開示すること
なく、秘密裏に電算機処理による思想調査や言論統制が可能
になってしまいます。今、私たちは知らず知らずの内にかつての
暗黒時代と隣り合わせになっているような気がしてなりません。