季節外れの表題で、まことに申し訳ありません。時流にも

季節にも乗り切れない年寄のすることです。どうか、ご寛容

のお気持ちでお読みください。


 私は今日、今年になって初めてコートを脱ぎました。何とも

老人らしくなってしまったと、我ながら嗤うしかありません。

この季節感の鈍さは、どうしたものでしょう?

 啓蟄も落椿も、まったく体感することなく、言葉だけが私の

頭上を通り過ぎました。私は、縮めた身体のまま春の薫りを

匂うこともなかったのです。そして今日、いきなり春の盛りに

迷い込んだ気分になりました。


 もちろん、家の近くにある桜は、少し前には、例年のように

満開になりました。ブログ記事でも、咲き誇る桜の山がプロ

顔負けの腕前で映し出されています。

 それでも、私の心の中は、いつまでも冬籠りを続けており、

その象徴として、コートを手放さなかったのです。このように、

私はずっと、「春は名のみの」のメロディを反芻していました。


 ところが暖かくなった今日、保守的な私もとうとう脱皮する

日を迎えました。天気予報ではもう一度寒さが戻るようです。

けれども、もう私の気分が冬に戻ることはありません。私は

すっかり春模様になったのです。

 ちなみに、私には季節による気分の良し悪しはありません。

春には春の、秋には秋の歓びと哀しみがあるのです。

 それでも、何だか心が浮き浮きするのはどうしてでしょう?

そうです。楽観主義の私には、季節の変化が、ただ子供の

ように、理由もなく嬉しいだけのことなのです。さて「早春賦」

とも、一旦お別れです。



[ご参考] 季節外れになった「早春賦」です。お好みの演奏でお聴きください。

みんなのうた  http://www.youtube.com/watch?v=hl7E8a6sz-g&feature=fvwrel

合唱       http://www.youtube.com/watch?v=7dFV9ImVevo&feature=related

児童合唱    http://www.youtube.com/watch?v=n_vWpnYv2FA&feature=related

ソプラノ     http://www.youtube.com/watch?v=MxJ69ZQ3uzA&feature=related

ダークダックス http://www.youtube.com/watch?v=B2F4qqn-RG8&feature=related