著者 ジョン・トーランド
翻訳 毎日新聞社
出版社 早川書房
1971年のピューリッツァー賞受賞作品です。アメリカ人に
よる戦史ですが、トーランドは日本人と結婚した知日家でも
あります。
この作品は、多くの取材に裏打ちされた力作であり、客観
的なドキュメンタリーになっています。当時は、太平洋戦争の
決定版として多くの人に読まれた本でもあります。
二・二六事件から終戦まで、太平洋戦争にまつわる主な
出来事を克明に描写しています。戦争の原因や必然性など
を探ろうとの意欲作です。それで、単なる現象面だけを追い
かけるような皮相な分析にはなっていません。
近現代史のドキュメンタリーは、新資料などが公表や発見
されることなどによって、その価値を失ってしまうものもあり
ます。けれども、この作品は、このような大きな視点で書かれ
ているので、その価値を失わないのです。
私が太平洋戦争に関心を持ち始めたタイミングで、文庫本
五巻で刊行されました。通勤電車の中で、読み耽っていた
覚えがあります。おかげで、電車を乗り過ごしたこともありま
した。
太平洋戦争をブログ記事にするに当たって、是非とも読み
直したい本です。
[お断り]
前回に付けていた「底本1」という表題を、「太平洋戦争の
底本1」と変更しました。記事の内容をより明確にするため
です。今後、この表題で続けることにします。