私が、サルデーニャ島に行ってみたいと思うようになった

のは、とても不思議な縁があってのことです。丁度、二年

ほど前のことになります。

 それまで、不覚にも私は、この島の名前さえ知りません

でした。イタリア領であることも、調べてみて初めて知った

ような塩梅です。

 ナポレオンで有名なコルシカ島のすぐ南にあって、地中海

ではシチリア島に次いで二番目に大きな島です。それにも

かかわらず、私の世界地図からは抜け落ちていたのです。


 ですから、島の歴史も政治的な位置づけも、俄か勉強する

しかありません。それによると、高度な文化が栄えて

ようです。風光明媚で生活しやすい立地です。 

 先史時代から、古代文化に欠かせない黒曜石の採掘が

行われていました。また、ヌラーゲと言う石造建築が、島の

あちこちに見られるので、考古学的な価値の高い島です。


 けれども、私がこの島に興味を持ったのは、別の理由から

でした。ジャン・ジャック・ルソーが「告白」の中で、終生最愛

の「ママン」であったヴァラン夫人が、サルデーニャ王の足下

に身を投じて、年金を貰う顛末が書かれていたのです。

 この年金は不安定なものでした。それでサルデーニャ王国

に興味を持ち、その領土であったサルデーニャ島に上陸した

のです。思えば、遠い旅でした。


 結局は、ルソー研究の旅からは大きな寄り道になってしまう

のです。なぜなら、ルソーがこの島を訪れたという記録もない

ようです。彼の意識の中に、この島があったとは思えません。


 それでも、何となくワクワクする島ではありませんか?


[ご参考] サルデーニャ島のウィキペディアです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%A3