私が、今一番気を付けなければならないことは、無名に

狎れるということです。文学への志を立ててから、もう50年

になろうとしています。その間、高校時代の文芸誌や同人

雑誌に小品を発表したものの、公に出たことがありません。

 死後に名前の出る芸術家がいるのは確かですが、それは

最期の救いであり、今、考えるべきことではありません。


 それなのに、私の創作スタイルを続けているようでは、

先の希望もありません。未完成の小説の構想ばかりが増え

続け、何一つ完成できていないのですから。未だに無名で

あることは、当然の報いです。


 あまりにも無名時代が長いので、それに狎れてしまい、

危機感を抱きもしないのが、私の悪い癖です。これを治す

ために自己変革をし、完成品の創作に力を尽くすべき時が

来ています。


 あまり肩に力を入れていると、ロクなものが書けないよう

にも思うのですが・・・