好きな作曲家に順位をつけることには、意味はありません。

それでも、どういうわけか、誰が一番好きだろうかなどと、つい

考えてしまいます。

 今では、純粋な精神性を表現しえたベートーヴェンですが、

天然の音楽を紡ぎ出したシューベルトが一番好きだった時も

ありました。けれども、最初に惚れ込んだのはシベリウスです。


 フィンランドの大作曲家シベリウスには、「フィンランディア」や

「ヴァイオリン協奏曲」のように、非常に有名な曲があります。

一方、弦楽四重奏曲「親しい声」や第四交響曲のように、難解

といわれながらも、北欧らしい内なる情熱を秘めた名曲もあり

ます。

 私はこれらも大好きですが、若き日の舘野泉が弾いたピアノ

の小品なども好きです。


 シベリウスの息の長い音の継続は、北欧の長い夜を連想させ

ます。カレワラという民話も、私に北欧への憧れを抱かせました。

森と湖のフィンランドには必ず行きたいと思っています。