レイチェルカーソンの「沈黙の春」という本が出版されて、世界
がそれに驚きました。
当時、DDTやBHC、ディルドリンなどの有機塩素系農薬の危険性を訴えて
このまま使用を続ければ、「小鳥も歌わず、ミツバチの羽音も聞こえない沈黙の春」
をつくると警告したのです。

残留性の高い農薬が使用され続けると、食物連鎖の中の上位捕食者であるほど
生物濃縮が起こって様々な病気を誘発するだろうと考えられました。
そのため、世界で規制がされ1970年代には日本でも有機塩素系農薬は禁止されたのです。

その後ネオ二コチノイドという有機リン酸系の農薬が開発されました。
有機塩素系よりも低毒性であるというためです。

二コチノイドとは、タバコの葉に含まれるニコチン、ノルニコチン、アナバシンの類縁複合
化合物アルカロイドを指し、ヒトなどの哺乳類には毒性が低いということで注目されました。
そして、世界に急速に普及していったのです。

しかし、ミツバチには大変な毒性を発揮致しました。
2005年「蜂群崩壊性症候群」が2005年に岩手県で出現し、8割のミツバチが死に
養蜂家が大打撃を受けました。
そして、北海道や青森などにもどんどん広がりを見せました。

ネオ二コチノイドは神経性の毒性、つまり神経回路を遮断する。
という力をもっています。

ネオ二コチノイドが持っている3つの主な特性です。
・神経毒性  昆虫、人の神経系で重要な働きをもつアセチルコリンの正常な働きを攪乱する
・浸透性   水溶性で作物に吸収されるので、洗っても落とせない
・残効性   条件により残効性が高まり、地中に長期(1年以上)残留する

神経毒性のせいでミツバチの方向感覚、運動感覚などが麻痺して、帰巣本能を阻害されました。
従来の農薬は散布場所から100m離れていれば影響は少なかったのですが、ネオ二コチノイド
は半径4km以上も汚染します。
無色無臭で風に乗って飛んでいくからです。

ミツバチが大量に死んでしまうと、植物界への影響は深刻です。
なぜなら、ミツバチは全受粉の80%を担っていると言われているほど受粉作業を
しているのです。
植物において受粉ができなくなるということは、子孫が残せなくなるので種が残って
いかないということになります。

EUでは2013年12月よりネオ二コチノイドの使用を全面的に禁止致しました。

しかし、グラフで示すように日本は増えている状況です。


出典:みずほ情報総研


ご覧の通りです。

ネオ二コチノイドの農薬の一覧はこちら
出典:NO!ネオニコ


今年お米を作って思いました。
田んぼに農協などが定めている農薬施肥方法はいらないと。
そこまで稲は弱くないと。

有機栽培・慣行栽培の両方を行いましたが、有機無農薬でも決してお米の表面は汚くない。
カメムシで斑点米はあったものの、綺麗なお米が多かったです。

だから、これからもっと無農薬の栽培に転換していく。
そしてそれを広めていく。
必ず。