以下の動画に見られる呪術の解説を試みようと思います。

術式は、

①先祖の墓を掃除する。これを指して「功徳を積む」と称している。

②呪物の作成。

③呪術を施行する対象に接触、呪物をわからないように与える。

効果は、

悪夢を見る、ノイローゼ、事故、など。

 

結構破綻した術式で、赤い袋という目立つ呪物を仕込むあたりで、すでにバレるのが時間の問題であるので、呪詛の効果も対策しやすい(わかりやすい、という意味)ことなど、他にも弱点が多い。

それでも効果が出たのは、先祖に加担させたところに拠る。かわいい子孫の願いなら、何とかしてあげたいという情で先祖を動かし、先祖霊団という集団の数で押せるので効果が出やすいのです。

 

しかし、先祖の墓を掃除するだけが功徳を積む行為だと言うのは脆弱であり、また、これ自体が効果を求める取引のような想い、射幸心で掃除をしているので、やがて先祖からも浅ましいと思われてしまいます。

また、先祖も呪詛に加担することで劫を積み、地獄に嵌ってしまうのです。

 

先祖に加担させるなら、他人に幸せを与えるかたちで加担させるのが正しく、それによって徳が積まれ、家系の選択肢が増え、家門が繁栄するのです。

必ず、自分たちが繁栄する祈願ではなく、他人や他のコミュニティ、それが行政区でも法人でも国家でもいいのですが、そういうところに繁栄をもたらせるように先祖を加担させるのです。個人が集団に影響を与えるのには限界がありますが、それなら先祖霊団という集団で対応すれば、本人一人だけの場合を超える祈祷効果があり、功徳は一族全体に及ぶのです。

徳積みとは先祖の墓の掃除ではなく、他人の幸せを本気でもたらすことです。

 

ちなみに、この術者が言う「呪詛返し」も概念的に間違っており、完全に逆恨みで呪詛をしています。

呪詛返しとは、やられたことに対して報復の呪詛をすることではなく、呪詛返しという術が存在します。

 

本件において呪詛が失敗した要因は、呪詛のしすぎで相手を苦しめた劫を積んで、難敵や強敵を呼び寄せる結果を生むところに拠ります。

さらに言えば、これら術者として難敵や強敵である以上に手を出してはいけない相手は、天命を負っている人に攻撃する事です。

天命を負っている人に攻撃した結果、その天命遂行に支障をきたす未来が予測された場合、その天命を支援する神々による攻撃を受け、復帰が困難になるレベルのダメージを受ける可能性すらあります。呪術者の守護神・守護霊も術者に味方せず傍観(=術を使えなくなる)、フルボッコになります。

誰であれ守護神・守護霊は、天命に味方するのです。

 

先祖に劫を積ませるなかれ。一族が地獄に嵌らないように。