姉は血を吐く、妹(いもと)は火吐く、
可愛いトミノは宝玉(たま)を吐く。
ひとり地獄に落ちゆくトミノ、
地獄くらやみ花も無き。


鞭(むち)で叩くはトミノの姉か、
鞭の朱総(しゅぶさ)が気にかかる。
叩けや叩きゃれ叩かずとても、
無間(むげん)地獄はひとつみち。


暗い地獄へ案内(あない)をたのむ、
金の羊に、鶯に。
皮の嚢(ふくろ)にゃいくらほど入れよ、
無間地獄の旅支度。


春が来て候(そろ)林に谿(たに)に、
暗い地獄谷七曲り。
籠にゃ鶯、車にゃ羊、
可愛いトミノの眼にゃ涙。


啼けよ、鶯、林の雨に
妹恋しと声かぎり。
啼けば反響(こだま)が地獄にひびき、
狐牡丹の花がさく。
地獄七山七谿めぐる、
可愛いトミノのひとり旅。


地獄ござらばもて来てたもれ、
針の御山(おやま)の留針(とめばり)を。
赤い留針だてにはささぬ、
可愛いトミノのめじるしに。

 

 

 

近代詩でも地獄に繋がれると思えば、長く読まれ続ける祝詞や経文やマントラに効果がないと考えるのは不自然ではないか、と思考する。

 

ちなみに、ゲシュタルト療法で使われる詩があり、これを毎日唱えるとみるみる自信が付く、といわれる。

 

ゲシュタルトの祈り フレデリック・S・パールズ

私は私のために生き、あなたはあなたのために生きる。
私はあなたの期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。
そしてあなたも、私の期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。
もしも縁があって、私たちが出会えたのならそれは素晴らしいこと。
出会えなくても、それもまた素晴らしいこと。