ここ2年、午前10時の映画祭で黒澤作品をスクリーンで観る機会が
できたので、改めて黒澤明を見直しながらこちらの書籍を購入。
できたので、改めて黒澤明を見直しながらこちらの書籍を購入。
黒澤作品の中でも特に有名な『生きる』『七人の侍』の脚本に参加
した方が書かれた自伝でもあり黒澤を知る事のできる一冊でした。
した方が書かれた自伝でもあり黒澤を知る事のできる一冊でした。
序盤はあまり馴染みのない作品や『羅生門』の頃の話が進むんですが
『生きる』を制作する事になり、黒澤、橋本他メンバーでアレコレとこの
作品のプランを練りだす辺りから断然面白くなる。
『生きる』を制作する事になり、黒澤、橋本他メンバーでアレコレとこの
作品のプランを練りだす辺りから断然面白くなる。
わずか数行だけのコンセプトから、主人公の名前、職業、家族構成など
のイメージをふくらまし、あのラストのブランコでの歌う歌が思い出せず
旅館の仲居さんに歌わせる。
のイメージをふくらまし、あのラストのブランコでの歌う歌が思い出せず
旅館の仲居さんに歌わせる。
あの作品ができあがるまでの裏話がとにかく面白い。
この面白さは、さらに次の章にあたる『七人の侍』でさらに加速。
映画のスピード感、高揚感そのままのような出来事。
元々、武士の1日を限りなくリアルに表現するという地味はコンセプト
から始まった企画は、当時武士の食事は1日3食か2食かという事
から始まった企画は、当時武士の食事は1日3食か2食かという事
だけでとん挫、次に剣士の列伝の話に変更、これがさらに変化して
『七人の侍』が生まれた話は、これだけでひとつの映画のようなエピソード
黒澤の病的なほどのこだわりと才能。
それを超えたいけど、超えられないものを見せつけられた橋本の思い
とても読み応えのある作品でした。