『この世界の片隅に』
さて評判の高さはいかに。
しかしスカイビルまでは遠いな。
【感想 一部ネタバレ】
能年好きのひいき目差し引いてもとてもいい映画でした。
能年ちゃんの持つキャラクターと主人公すずのキャラクターは同一人物そのもの。
戦争はその時代を生きていた人には日常であり、遠い場所で正義の為に行っているもの。それが次第に目の前の出来事となり、自分の日常を吹き飛ばしてしまう。
広島出身で呉へ嫁いだすずが、実家に帰ろうとする日が8月5日、そこに刻一刻と近づいて行く事を見ている観客は「行っちゃだめ、帰っちゃダメ」と節に願ってしまう。
その思いと、すずに近づくリミットって『あまちゃん』の3.11と同じなんだよね。
今だから"戦争はいけない事"として解っているから、戦争を描く作品は悲劇性を追ってしまうが、その時代の人にはそれも日常。作品中決して劇的な悲劇やお涙頂戴的な別れ
があるわけではないんだが、それでも笑っていられる場所を守り、生き続けていくすずさん達家族を見てると涙がこぼれてくるわけです。
もちろん絶賛されている作品ながら、いくつか気になるとこなどもありますが恐らくいくつかは原作で補完できそうな印象。これから原作よみます。
なんにしろ『シン・ゴジラ』『君の名は。』『この世界の片隅で』は2016年の代表となる作品なのは間違いない。
『君の名は。』が怒涛のヒットでTVや雑誌でとりあげられているわけですが、この作品もそれこそクラウドファンディングで過去最高のお金が集まったとか、当時の呉の街並みを建物の配置などから違わず再現したとか、テアトル東京の株価がストップ高になったり、連日チケット完売など、メディアが喜びそうな話題に事欠かないはずなんですが、能年ちゃんの件で圧力がかかってるとやらで、全くもってTVで話題にされていないと言う。
それこそ戦時中、日本政府の情報管理統制かよって・・・。
本編では省略されたエピソードなど保管できます。