浮世の値段 | ト書き

ト書き

趣味の舞台観劇やライブのレポート書いていきます。

『沖村彩花』さんたちが出演していた、【浮世の値段】彩チーム、花チーム大千秋楽を観劇してきました。
 
〜〜〜
観劇日:2018年05月19日 12時00分〜
            2018年05年20日 18時00分〜
場所:絵空箱
劇団/団体:熱血天使
料金:3,500円 (ワンドリンク付き)
情報:《熱血天使》さんの公式blog等
~~~


劇場前の案内板。

劇団《熱血天使》さんの10周年yearとのことで、今年は熱天さん様々なイベントを行っています。

その中の一つ、志Theater。熱天さんの若手、そしてご縁のあった方々と創り上げた作品とのこと。今回は、記念すべき第1回目、vol.1。ほぼ全員が着物、という見た目にも美しい作品です。

明治時代の偉人、もしくは偉人を支えた人物に焦点を当て、4本の短編ストーリーとして展開されました。
1. 長州芸者3人記
2. 或る求婚者の話
3. 鳳の家
4. 萩と百合

この4の〈与謝野晶子〉役が『沖村彩花』さん。
旦那の浮気相手、〈山川登美子〉のところに怒鳴り込んでくるシーンから始まるという、中々に修羅場なお話。お二人とも歌人であり、それ故に歌でぶつかり合うのは面白い( ^ω^ )

浮気相手と対峙をしているからか、しかも最も手紙(恋文)をやり取りして欲しくない相手であるので、終始怒りパロメータが高い。ん…でもそれでかな、全てでは無いですが、声のトーンが単調になりがちだったのが少し気になりました。
が!迫力はとてもありましたよ。それに、旦那には手紙のことを聞けないいじらしさ、自分の歌なら100年は残る、と堂々と言い放つ自信に満ちた言葉、そして表情。歌を詠む気力が無くなった旦那のことを聞いても、好きなことなら、何故乗り越えない!という思考。それにやはり、最後は結核と判明した登美子に対し、複雑ながらも友として許す、と即興歌を贈るシーンは良いですね。

まだ女性が、前に出ることに批判を浴びる時代において、とても不器用な、けれどもとても熱く気高い晶子を魅せてくれました。

普段お話するときは、とてもハキハキしているのに、ホンワカした喋り方。でもお芝居の時は力強く、圧のある喋り方に変わり、始めて観たときはビックリしました。そして、演技もとっても良いなあっと。今回もインパクトあって、与謝野晶子に興味湧きます。強気な女性好きなので笑


対する登美子を演じた、『黒咲ちよこ』さん(花チーム)と『亜佳子』さん(彩チーム)。お二人とも凄いな。物静かながらも、内に秘めた情熱を伝えてくれて、晶子とはまさに炎と氷の構図を魅せてくれました。
お芝居とは言え…ビビりますよ、晶子のあの剣幕で向かって来られたら。でもそれを、ヒラリと受け流す。余裕を感じます。死を意識しているからか、性格なのか。
それでも晶子の旦那、鉄幹のことになると、真っ直ぐに晶子を睨み返す。貫禄あります。
でも、登美子も晶子も互いに羨むものがあり、けどそれを素直になれないけど認め合っている、正にライバルな感じがあって、素敵な作品でした。



さてそして、1のお話。幕末の偉人の妻。が天国に居座り、100年近く後の現代において熱い戦いを繰り広げるコメディ笑
冒頭から登場する『氏家綾乃』さんの〈伊藤梅子〉、『朝長愛』さんの〈中西君尾〉のだらしなさ笑 でもこのシーン毎回アドリブらしいです(^^)
梅子も君尾のじゃんけん、あっち向いてホイは熱いですね。あのテンポで全て あいこ にするところは単純に凄い!と思いました。それに卑怯な手で勝ったときの君尾の顔!いや〜、ヒドイ笑 ←褒めてます。
で、1人応募なのに、他のメンバーにわざわざ仕事の話を持ってきた、で結局奪われる人の良い『高藤美玖』さん(彩チーム)、『椎名実乃里』さん(花チーム)の〈おうの〉。ハキハキしている美玖さんと、超おっとりの実乃里さん。でもどちらも見せ場は最後の歌かな。あのわざとリズムも音程も外す歌い方…演技だよね笑
そういえば、綾乃さんは帯の結びがリボンな形だったかな、でとても可愛くこだわりを感じました。


で、2のお話は、夏目漱石の娘、〈筆子〉をめぐる男の嫉妬バトル。
その筆子を演じたのが、『汀』さん。今まで数回、汀さんのお芝居観てきましたが、どれも男勝りな性格!…でしたが、今回はとっても乙女(^^)ピンクの着物がとてもお似合い。でも内に秘める熱さはありましたよね、同じ屋根の下とはいえ、婚約中にも関わらず、好きな男の部屋に飛び込んでくるなんて。今ならともかく、この時代ですものね。
汀さんは、相変わらず良い芝居を魅せてくれます。この時代では女性から告白なんて出来ない、でも好きな気持ちを伝えたい、そんな一途に想う姿と表情がとても可愛かった〜。そんな一生懸命な筆子を前に、全く気づかない『伊藤信彦』さんの朴念仁〈松岡譲〉。イライラと羨ましさの渦でした笑 譲は頭は良さげですが、話が面倒くさそう笑 だから、一人で受付とかさせられる。でも、それがキッカケで筆子に好意を持たれるとは…人生判らぬ。
で、後からのこのこ入ってきた『杉浦史門』さん演じる〈久米正雄〉。気持ちは解らなくも無いです。実際婚約しているのは自分なのに、見てももらえない。悔しい気持ち一杯だろうなぁと。でも、筆子本人に気持ちを伝えず、最後のチャンスであろう今回の舞台のシーンでも、回りくどい話。最後も自分が傷付きたくないから、筆子に理解あるフリして親友に譲るとか…そりゃフラれる。情けない男どもと、一途で弱い、でも強い意志を持った女性の、面白い話でした。
が…正直に思ったことも書きますね。譲も正雄も喜怒哀楽を表現していると思うのですが、、、で汲み取ることはできたと思いますが…でも感じることは出来ませんでした。喋り方も表情も雰囲気も…演じるというより、知識で知っている感情を真似ている感じ。一生懸命さは伝わるので…何か勿体無かったかなぁと。


そして、3の晶子の実家、鳳家(名前がカッコ良過ぎ!)。で晶子が家を出て行った後のお話。良い話だったなぁ。本人の意思とは裏腹の大和撫子、長女『井上美穂』の〈はな〉。言いたいことはキッパリ言い切る、強気の次女『山田ミホ』さんの〈てる〉。天真爛漫で明るい末っ子四女『仲間優理愛』さんの〈里〉。
このお話段階では、一緒に住んでいるのは、はなと里ですが…4人で暮らしていた頃は、てると晶子が意見をぶつけ合い、それをはなが宥め、里がピーピー泣いている(想像)。そんなケンカの絶えない、でも良い家族だったんだろうなぁと。複雑な家庭事情だし、仲良く、というのは無かったかもしれませんが、不思議と絆を感じる3人のお芝居でした。

個人的には、はなの言いたいことも言えないこんな世の中じゃ状態な性格はイライラしますが、でもそれを突き通すことも強さですよね。
てるが里に対し、女性は家庭に入るのだから勉強しなくて良い、というのは、今の感覚だと違和感。後ろに控えるのはともかく、知識が必要ないとは思わないけどなぁ。まぁ家の仕事は大変過ぎて、他のこと覚えるヒマもなかったが正しいのでしょうけど。
で、里の晶子に対する純粋さ、歌を残し去ってしまった晶子に対し、姉たちに訴える姿は結構ウルっときます。
今とは時代が違うからこそ、その生き様、考えを新鮮に感じることができる。そんな雰囲気を上手く伝えてくれたなぁと感じました。ラストに、白菊に光を当てて暗転、が美しかった。


最後に、今回は出演はしていませんが、前説で楽しませてくれた、劇団員の『菅沼萌恵』さんと『山崎愛美』さん。今回ですね、不勉強であまり知らない幕末から明治の方々のお話でしたが、あえて予習せずに観劇しました。その方が、付け焼き刃な中途半端な先入観持たないし、純粋に演じている方々のお芝居を楽しめるし。でも、流石に〜の妻とか、この時代の文豪とか、何も知らんと、お話追うのに苦労したかも笑
なので、前説での登場人物の紹介は助かりました笑


カーテンコールでは、撮影オッケーとのことで、各チームの写真をば。まず彩チームと。

花チーム。



これは購入した物販。右下の彩花チェキ、台本、左上の栞は、汀さんお手製。汀さんイラストがとても上手いんです。そして今回も、それぞれこだわりもあって凄く綺麗な栞なんですよ!




最後に彩花さんから頂いた、これまで熱血天使さんでの想い出が記され写真集(お手紙付き)。


彩花さんは、この熱血天使さんの劇団員。でしたが、この公演が熱天さんとして、お芝居としての出演は最後だったのです。

約4ヶ月前に、こことは別作品を観劇していたときに、偶然観劇していた観劇仲間さんに、同じく偶然いた彩花さんを紹介されて…
なので、何度も彼女のお芝居を観たわけでは無いのですが…いや〜知り合えて良かった。
お芝居に対する志、素敵な演技、どれも素晴らしい俳優さんです。
所属の劇団さんも良き。今作の彩チーム花チームのチーム名。お気付きの方は多いでしょうが、並べると彩花さんの名前が浮かびます。卒業するメンバーへの劇団からの餞別。温かい劇団ですよね。ちなみに、私も名前にちなんで、彩花の順で観劇しました♪

良い劇団さんで良い作品を観れたなぁと、観に行って出会えて良かった。彩花さん自身は、表現者を辞める訳では無いので、これからも彩花さんのお芝居を観て行きたいですね( ^ω^ )