為替動向など誰にもわかりません。マーケットというものは誰にも正確には予想できないのです。何故なら人間の活動なのだから。

 

予想できた人間、あるいは無理やり市場を作り替えた人間だけが儲かるのです。

 

まあそんなこと言ってしまえば身も蓋もないので、今後の為替がどうなるのか個人的には気にしています。なぜなら為替動向は個人的にも影響があるからです。

 

海外とかかわりを持たない日本人はせいぜい物価の上昇を気にすればいいだけですが、そんなもの政府が補助金を出したり減税すればいいだけのような気がします。

 

為替というと円ドルを考える人が多いでしょうが、自分にとっては円ドルより円バーツの方が重要です。ですが今回は円ドルがどうなるか溶けかけた脳みそを絞って考えてみました。

 

円安の原因の一つに金利差がありますが、これは流通通貨量の差を産み出すことになり、現在は米ドルの流通量が少なくなり相対的に円が安くなります。また金利の安い円を借りてドルで投資するするということもあります。一般庶民にはドル預金をするというのが身近かもしれません。

 

最近のニュースで日本の銀行のドル定期預金の金利がほぼ0%から5%前後に切り上げるとの報道を目にし、日本の銀行はいかに預金者無視の営業をしてるかびっくりしましたわ。

 

さてドル円安が今後も続くのかについては、続くだろうと見ていました。一つはアメリカの高金利政策は少なくとも後1年は維持される見通しが主流であること、為替介入してもそれは一時的な効果しか見込まれないこと(国際金融資本と日銀では資金量がけた違いに違うのです)などがあげられます。

それはアメリカの経済指標が好調を維持していることが背景にあります。

 

いつかは景気後退が来るものですが、注目すべきは米ドル債10年物の金利が4.7%を超えていることです。つまり世界のマーケットはアメリカという国家を信用していないのです。債権の金利が上昇していることは債券価格が暴落していることを意味します。この債券価格暴落によって取り付け騒ぎが起こりいくつかの中堅銀行が破綻したことは記憶に新しいことです。

 

以前にも書きましたが、アメリカの金融不安は依然くすぶっているのです。中国の経済衰退が取りざたされていますが、中国の経済が崩壊しようがそれは中国と取引している人間にしか影響を与えません。

 

しかしアメリカの金融システムが崩壊するとそれこそ世界中に大きな影響を与えます。米ドルが基軸通貨となっている現在、先進国を中心に張り巡らされたリアルタイムの金融システムは即時に大混乱に向かうのです。リーマンショック以上とも予想されています。

 

 

さてアメリカの好調な経済指標に基づいた高金利政策がしばらく続き、円高に転換するには1年ほどかかるだろうと思っていましたが、ここにきて大井幸子氏がクレジットカード会社のデータを元にアメリカの消費が最近急激に激減していると解説していました。また朝香豊氏は好調な雇用統計を印象操作しているとも述べています。

 

これらが事実とするとアメリカ経済は急激に衰退することを意味します。ドル金利は一気に下がり米ドル国債は投げ売りされ一気に円高にシフトするかもしれません。

 

 

まあだからといって個人的にはすぐにどうこうするつもりはないのですが、中期的には為替の動向を見ながら対応していこうかなと思います。