突然に奇跡って起こるんだよね
望んでもいない
夢にも思わなかった
死んでしまえば、それで終わりだと。
だけど、またキミに逢えました。
大泣きして。
顔をグチャグチャにして。
その場所が外なんてこと忘れて、大声を上げた。
気が付くといつの間にか周りは真暗で。
家までの帰り道は真暗な道だった。まるで、迷路のようで。
暗闇は、嫌い。
怖いわけではないけれど。
そりゃァ・・・隣に涼平センパイもいるし。
『素直じゃないんだね
そんなこと言って自分を守ってるつもり?
逆効果でしょ
アンタ本当は悲しんでる
泣きたいんでしょ?』
こんなことを言われたのは初めてだった。
今までは私が突き放すようなことを言えば、皆離れていった。
でもこの男は、私の裏を読んでくる。
だからこそ、琉牙はこの男とつるむようになったのか。
琉牙は、表面だけ見る奴嫌ってたからな。
(つまり嘘は効かないってことか・・・。
でも・・・なんで会った事も話したこともない人に性格まで言われないといけないんだろう・・・。)
「そんなの天野 琉牙に聞いたからに決まってるでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・いきなり声出さないでください」
(考えてることもわかるのか・・・。)
「何で、聞いたんですか?」
涼平は自分が興味を持たない人物には何も思ってはいない。興味を示す人物といえば、格闘が強いとか、喧嘩が強いとかの奴だろう。
「天野 琉牙が惚れる女」
学校一の不良と呼ばれる男が惚れた女はどんな人間かと思って─と彼は言った。
確かに・・・興味を持ちそうなのはわかるが。
初めて言葉を交わしたこと。
いつの間にか忘れられない存在になっていたこと。
想いが通じたこと。
付き合うことになって。
一緒にいる時間がとても早く感じたこと。
・・・。・・・。・・・。
「あの性格であんな言葉が出るなんてね、余計なことも話してたけど止める気もしなかったよ」
「そうですか」
ずっとずっと、想っていてくれた。
彼は、もういない。
「何してるの、ここでしょ。アンタの家」
考え込んでいると涼平センパイの声が聞こえた。
「あァ、わざわざありがとうございました」
「明日学校遅刻しないでよね」
「わかってますよ、明日は確かセンパイが点検するんでしたよね」
「そうだよ」
明日は涼平が校門の前に立って制服点検、遅刻者点検をする日。
スカートが短い、茶髪、リボンがない、遅刻をするなどをしたら・・・・・・・・・恐ろしい。
「大変なんですねェ・・・っていないし」
生徒会の仕事を振り替えしている間に帰ってしまったらしい。
「っふぅー・・・・・・・」
自分の部屋へ駆け込み、ベットへダイブ。
夢を見た。
琉牙が、また笑ってくれている。
私の目の前で微笑んで、静かに寝顔を見てる姿が。
〔一週間だけ、お前を見守ってやるよ〕
「・・・りゅうがっ!!」
一揆に上半身を起き上がらせた。
静かな空間が里瀬を包む。
(何・・・考えてんだろ、夢だっつの)
ベットの上で足を腕で囲い顔を沈めた。(体育座りって言うのかな)
シーツに水滴が落ちてシミを作る。
泣いている自分にイラつく。
私は今まで、彼に何をしてあげられていた?
いつも突き放すことしかできていなかった
彼の優しさにいつも頼っていた
いつも
いつも
素直になれないなんて、ただの言い訳。
「・・・っく・・・っひ・・・・・・・・・ぅ・・・・りゅ・・が・・っ・・・・・・・!」
わかってる。
返事が返ってくることはない。
「バーカ、何泣いてんだよ」
わかって・・・。
奇跡の始まり。
END