こんにちは、とーるです。

シューティングレンジの知り合いからエアガン修理を依頼されました。

【シグザウエル・M17】
シグザウエルから出ているCO2ガスブローバックガンM17。シグザウエルといえばダブルアクションのイメージを勝手に持っておりますが、これはシングルアクションの銃です。
異常に鬼ホップなうえ、5mのグルーピングが8㎝程度しか無いという事で、修理というよりは調整となります。

不調の原因は海外製エアガン特有のパッキンの組み込み不良、インナーバレルのバリによる物でした。

パッキンをオイルで柔らかくし、ホップ調整ダイヤルなどのギヤ部品に注油しました。

ネジを締める際は偏らないように丁寧に作業をします。弾道のバラツキが起きる海外製品はたいていチャンバーパーツの方締めが酷い事が多いです。

その後インナーバレル研磨、本体側もスライド当たり面の研磨、各所注油を行い動作性を改善。
命中精度は6.2mで5㎝以内となりました。

基本無償でやっている趣味なので、ただ純正を組み直して調整しただけです。カスタムパーツを追加したりはしておりません。


【マルシン・マテバ3インチ】
2018年製のマルシンマテバ3インチです。ガス漏れがあるので修理させていただきました。

ガス漏れ自体はかなり簡単に治りました。 写真を撮影していなかったので分解画像はありませんが、放出バルブのスプリングがへたっており放出されっぱなしになる状態でした。

ただし、 修理後もなぜかハンマーが微妙に放出バルブに触れた状態になってしまってガス注入の際にそのままスルーして全く注入されない症状があったので、その場合はハンマーコックの常態でガスを入れてやると漏れずに済みます。
 水道管用のものすごく小さなガスケットで嵩上げしてスプリングを強めることで解決。

マテバの機関部はかなり癖のある構造で分解に苦労しました。特にトリガー周辺のピンが抜けにくくて難しいです。慣れれば簡単だと思います。
バレル周りのオーバーホールを行いました。
古いグリスが固まってかなり悪い状態でしたので研磨して表面を仕上げました。
 オーバーホールついでに命中精度改善を行いました。マルシンのホップ機構スーパーソニックバレル、バレル出口側にホップパッキンがあるため非常に命中精度が悪い。


社外品のアキュバレルというインナーバレルパーツを組み込んでも良かったのですが、とりあえず可能な限り純正で性能を上げようと思いました。

まずリボルバーの命中精度は要因の大半が手ブレにあるという、やえやまカスタムで培った知見を生かしました。


バレルの研磨調整。その後は前後に動く可動フォーシングコーンがトリガーフィーリングをかなり悪くしておりますので、削って短くします。

ダブルアクションで動作させてもフォーシングコーンは殆ど動かず滑らかになりました。


フォーシングコーンを削りすぎると気密が悪くなって初速低下の要因となりますので慎重に行います。作業自体は慣れていますが借り物なのでなかなか緊張しました。もしダメだったらアキュバレルを組み込もうと思っておりましたが無事成功しました。

シリンダー周りも丁寧に研磨調整して回転を良くしました。

命中精度は5mで15㎝に当たる程度ですが、充分だと思います。初期のやえやまカスタムくらいの命中精度はあると思います。初速もダブルアクションで54m/sです。

リボルバーの初速は命中精度と相関があります。シリンダーギャップの影響を無くすことで弾の弾道の偏りが減り、そのぶん初速は安定し上がります。

ということで以上となります。エアガンはまず純正のままメンテナンスして本来のポテンシャルを確かめる事が大切です。

※エアソフトガンのカスタムは法律・関係法令等を遵守し安全に充分配慮して行って下さい。特に違法な威力を出す改造はもちろんですが、金属部品の材質変更等も法律違反となる場合があり、非常にデリケートな問題です。自己責任のもと充分な注意を行って下さい。