こんにちは、とーるです。

最近、スピードシューティング向きに宮川ゴムの長掛け二点ホップを使ってやえやまカスタムの整流二点ホップが再現できてリボルバーと相性が良いことを記事で書きました。

今回は、それをパイソンに組み込んでサバゲーカスタムにしてみようというお話です。

実はクラウンモデルのパイソンガスリボルバーのシリンダーとバレルを10禁エアコキの物に交換したフルサイズカートリッジカスタムと宮川パッキンは、S&Wの物と比べて圧倒的に相性が良いのです。

【S&Wモデルはなぜ相性が悪い】
M586のサバゲーカスタムは、スピードシューティング仕様のやえやまカスタムと違い、インナーバレルが前後することで気密をとる機構がそのまま無改造で組み込まれています。
実は、そこに分厚い宮川パッキンを入れるとホップ窓の押さえが厚くなってインナーバレルがキツくなり前後運動に支障が出ることから、逆に初速低下や命中精度の悪化が起きやすくなります。

そのため、最終的にはインナーバレルの可動をオミットしたスピードシューティング仕様に採用している整流二点ホップのベースとしてのみ使用が可能という結論に至りました。

補足:整流二点ホップとは
弾にホップ回転をかけるのが目的ではなく、近距離専用の弾道修正を目的としてつまずきの性質だけを利用するホップパッキンです。

非常に小さな突き出し量の二点型であるため、シリンダーギャップによって起きる弾道のブレに対して、どの角度でBB弾が暴れても必ずパッキンに接触し、さらには回転数が弾を浮かせるには至らないぎりぎりの突き出し量に調整してあるため、弾が変に浮き上がる心配がありません。実質ノンホップとなります。

しかし、上述の軽いつまずきによって弾道が整流され、単なるノンホップバレルよりもフライヤーが出にくい安定した命中精度の高さが発揮されるようになります。


【パイソンと抜群に相性が良い】
さて、S&Wのモデルには使えなくても、実はクラウンパイソンをフルサイズカートリッジ仕様に改造したものに使う場合は話が違ってきます。

なぜなら、同社S&Wモデルのガスリボルバーと違ってパイソンは殆どインナーバレルが動かない仕様になっているからです。

そのため、宮川パッキンを組み込んで強い押しゴムを使ってもインナーバレルは元々回転機構に直接関与しないためシリンダーの動きを阻害する事がないのです。
実際に組み込みました。手順は以前の記事と同様です。ちなみにエアコキのインナーバレルの仕様はM19もパイソンも変わりません。それぞれの機種に流用できるかどうかまでは試していません。
突き出し量はこのくらいで充分です。これでも0.2g弾でスッと若干浮き気味の弾道となります。※画像はパッキンの取り付け方を間違って斜めにズレてしまったので後で修正済み。


【初速】
東京マルイ0.2g弾、東京マルイエアリボルバー用プラスチックカートリッジを使用。約64m/s、悪くない初速です。


【使うならマルイカートリッジ1択】
実はフルサイズカートリッジ仕様に改造したパイソンは、マルイのカートリッジとの相性が抜群です。というのも、シリンダー長よりカートリッジが長いため、M19やM586に使用する場合より気密が取れて高初速になりますので、ガスルートなどの内部機関に凝った加工をする必要が無いのです。

私のこのパイソンもシリンダーストップを削って回転精度の調整を行った事と、バレルとフォーシングコーンにやえやまカスタムを施した以外は内部機関も箱出しのままだったりします。

東京マルイのプラスチックカートリッジは見た目もリアルですし、命中精度も高い。そしてなにより比較的安価なのでサバゲーで紛失してもそこまでお財布にダメージがありません。

おまけにカートリッジの径が太く、エキストラクターロッドの使用が必要で、そこがむしろカッコ良さ抜群と良いこと尽くしです。 クラウンパイソンのフルサイズカートリッジ仕様には東京マルイのプラスチックカートリッジ1択です。


【命中精度試験】
5mの距離から6発、ダブルアクション速射にて計測。やはり純正の10禁ホップに比べてよく伸びる弾道です。むしろ少し浮き気味かな?というくらい。

これならサバゲーで使用しても大丈夫そうです。M586の10禁フォーシングコーン機構よりトリガーフィーリングも良いです。

 射撃競技で使用しているM586マッチカスタムには及びませんが、サバゲー仕様のM586サバゲーカスタムよりはホップのかかりが安定していると思います。

シリンダー回転がスムーズなため手ブレも無く集弾性は高そうです。やはりこれは、インナーバレルがほぼ固定されているのと変わらない発射機構の違いによる物だと思われます。

 パイソンならではのヌルリとしたシリンダー回転がよく再現されていてリアリティがあって素晴らしいのがクラウンモデルパイソンの特徴で、撃っていてとても楽しいですね。

ただ根本的な命中精度はというと、S&Wのようにシリンダー回転がしっかり止まってから撃発される機構のほうがダブルアクションは安定しやすくなりますから、競技用カスタムのベースとしてはM586の方が信頼できることに変わり無いですね。その分カスタムは大変ですが…

 M586がまだ存在しなかった時代に、アンダーラグがついて安定しやすいパイソンのバレルをS&Wに移植するスモルト(スマイソンとも言う)が存在した事を考えると、クラウンモデルパイソンの優れたバレル機構を同社のM19に移植するのも実は有りなのかもしれないなと感じた次第です。

面倒なのでたぶんやりませんが。