こんにちは、とーるです。

ガスリボルバーのスピードシューティング適正を検証するシリーズ。

8挺目の今回は、ついに史上最強の命中精度を誇る「東京マルイ・NEWコルトパイソン」です。

この銃は24連発機構を持ち、一切手を加えていない箱出し品です。

【トリガープル性能】
平均トリガープルは2.39㎏。これはガスリボルバーのダブルアクションのトリガープルとしては軽くも重くも無い平均的な数値かと思います。

【初速性能】
平均初速は69.32m/s。外部ソースの安定性により驚異の数値を計測しました。ガスブローバックハンドガン並みに初速が出ています。

【命中精度】
ダブルアクション、シングルアクション共に命中精度抜群。ダブルアクションがとても安定していて、APSのブルズアイターゲットの範囲に5発が命中しているという驚異の命中精度を見せつけてきました。

【ダブルアクション】
ダブルアクションのグルーピングは縦1.8×横3.4㎝という、通常のリボルバーでは殆ど実現不可能に近い数値となりました。

やはり、BB弾がシリンダーからバレルにリリースされてパッキン手前で保持される独自の給弾機構の効果がいかに絶大な物であるかがわかります。

【シングルアクション】
シングルアクションのグルーピングは縦4.3×横3.2㎝でした。結果としてはダブルアクションより安定しませんでしたが、ここまで高い精度の銃となれば、もはや誤差の範囲なのかもしれません。

シングルアクションの場合はダブルアクションと違いコッキングの度に狙い直す必要があり、銃口の向きが微妙に変わるので、根本的に命中精度が安定しにくく、それがダブルアクションとシングルアクションで差が出た一番の理由と考えられます。命中精度が高い本機種だからこそ初めて気づきました。

【評価】
 総合評価は「SS」でした。平均的な値はトリガープルだけで、後は全て驚異的な物となっています。特に命中精度の評価は最高ランクの「SSS」でした。

【順位表】
圧倒的な性能から堂々の1位でした。2位に10点差をつけています。

もちろんライブカート式ではないため当然のことかもしれませんが。


【やえやまの評価】
トリガープル:
いわゆるマルイアクションと言われるほどの特徴的なダブルアクションのトリガーフィーリングを持っています。これが、スピードシューティングで速射するために相性が良い感触かと言われたら、それは絶対にノーだと答えます。後述する圧倒的に高い命中精度のおかげでデメリットを我慢できると言ったところです。

ただしこのトリガーフィーリングの悪さは機構上仕方の無い事でしょう。

初速:
6インチバレルと外部ソースの組み合わせにより非常に高い初速が出ています。リボルバーとしては充分と言えるほどの高初速です。

命中精度:
リボルバーとしてはあり得ないほど高い命中精度。文句なしどころか少々ズルいレベルの性能です。

というのも、この銃はリボルバーの形をしてはいますが実態はオートの固定スライドガスガンに近い物だからです。

同じケースレスリボルバーとしてタナカのペガサスリボルバーが存在しますが根本的な銃本体の命中精度に関して比べたら言い方は悪いですがあちらはしょせんリボルバーの限界値であって、オートの固定スライドガスガンたるこの銃とでは勝負にならないでしょう。

市販品のリボルバーでこの銃の持つ潜在的な命中精度にかなう物は存在しません。なぜならば先ほども書いたとおりこのリボルバーの機構はリボルバーというよりも完全にオートの固定スライドガスガンだからです。

私が普段からリボルバーの命中精度理論において、シリンダーギャップの影響を0にする事はリボルバーである以上不可能だからあくまでもそれを軽減するカスタムをする必要があると解説しています。

しかし、この銃においてシリンダーギャップは存在しません。リボルバーが何かという定義にもよりますがこの銃の発射機構から言えばリボルバーでは無いと言っても良いのでは無いかと思います。


上記のサイトに機構の解説があります。

この銃におけるリボルバーのシリンダーの役割は固定スライドガスガンのマガジンそのものであり、回転するアクションギミックがついた変な形の変な位置についたマガジンだと思えば良いでしょう。

トリガーを引くとまず第一段階としてシリンダーというマガジンから弾がバレルに前進してホップパッキン手前で停止、更にトリガーを引くとワンテンポ遅れてガスが吹き付けられて発射。リボルバー特有のシリンダーギャップは一切存在しません。

東京マルイ自身がオート並みの命中精度と謳い文句にもしているように、これはオートの固定スライドガスガンの原理を利用した銃であり、もはやリボルバーの限界を超えた存在です。潜在的な命中精度において、この銃にかなうリボルバーは物理学がこの世にある限り存在しないと言い切れます。


【総評】
スピードシューティングにおいて強力な性能を有している事は誰の目にも明らかです。根本的な命中精度が高いため独特のトリガーフィーリングによる手ブレの影響をもろともしないでしょう。

しかし、この銃も完全無欠では無く最大の欠点があります。競技で使用するうえで一番問題となるのはリロードです。

そもそもこの銃は、サバゲーで有利な24連発システムを有しています。しかし、多くの競技において、リボルバーは穴の数しか装填してはならないというルールがあるのです。

引用:アンリミティッドレギュレーションより

リロードは各シリンダーに1発ずつ込める必要があります。しかも、このリボルバーはタナカのペガサスリボルバーと違いインナーマガジンもスピードローダーのような物もありませんので、非常に時間がかかるのです。

5枚のプレートを撃つアンリミティッドやジャパンスティールチャレンジならばまだ良いでしょう、リロードが必須のアクションシューティングでは使い物になりません。この致命的な欠点を無くすためには社外品のライブカートが使用できるようにカスタムする事で、根本的な性能の高さから素晴らしい競技銃となります。

そのために、わざわざライブカート式にカスタムしてまで24連発システムをオミットする人が多いのです。

私は、箱出し状態のこの銃のスピードシューティング適正はそこまで高くないと考えています。あの東京マルイがサバゲーでオートにも負けないようにという目的で開発した傑作である事に24連発システムの真価があるのです。

【次回予告】
次回は、「やえやまカスタム・M586フラグシップモデル・フリマ出品仕様」です。光学サイト搭載の競技専用モデルがついに登場です。


【結果まとめ】