こんにちは、とーるです。

ガスリボルバーのスピードシューティング適正を検証するシリーズ。7挺目の今回は「コクサイM629マウンテンリボルバー・Xカートリッジ仕様」です!

この機種は、コクサイのM629マウンテンリボルバーの後期型がベースとなったカスタムガンで、Xカートリッジが使えるように改造が施された機種となります。


【トリガープル性能】
平均2.78㎏のトリガープルを計測したコクサイM629。やはりコクサイのガスリボルバーはトリガーがかなり重たいようです。

【初速性能】
平均初速30.43m/s。かなり低い数値となりました。コクサイのリボルバーは基本的に初速が低い傾向がありますが、それはXカートリッジを使用しても変わらないようです。数値は比較的安定していました。


【命中精度】
命中精度試験の結果です。基本的には安定した弾道なのですが、シングルアクション、ダブルアクション共にたまにとんでもないフライヤーが出る傾向があるようです。ダブルアクションの結果は、この検証シリーズでは初めて枠外ペナルティがついてしまいました。


【ダブルアクション】
枠外ペナルティがある場合はスピードシューティングで信頼して使えないと判断され、1発につき命中精度の得点から半分減点というかなり厳しい評価になります。大きく外れた二発以外はかなり良い命中だっただけに、このフライヤーは残念ですね。

【シングルアクション】
1発で済んだのでペナルティは免れましたが、大きなフライヤーが出ました。縦8.5×横4.8㎝のグルーピングはそこまで悪い数字ではありません。


【評価】
最終的な評価は【C-】ということで、理論上の最低評価となりました。低い初速とフライヤーが発生する不安定な命中精度の結果が反映されました。


【順位比較】
7機種中の最下位となりました。命中精度試験での不安定な結果が大きく影響したと思います。


【やえやまの評価】
トリガープル:
 数値から分かるとおり重たいトリガープルです。しかし、同じコクサイのM19よりスムーズなため、トリガーフィーリングは滑らかでかなり良く感じます。これぐらいなら問題ないでしょう。

噂によると、このカスタムガンのベースとなっているM629後期型はスプリングが見直された事によって初期型よりかなり軽くなっているのだとか。 この極限まで滑らかに洗練されたトリガーフィーリングの良さからリボルバーのコクサイとまで言われた確かな技術力を垣間見る事ができます。


初速:
さすがに20~30m/s台は低すぎると言わざるを得ません。0.12~0.16gのBB弾の使用が適しているかと思います。実質10歳以上と同等の性能と考えて良いでしょう。

命中精度:
同社M19と比べて素直な弾道を描いて飛んでいくので 命中精度は決して低くは無いのかなと思いましたが、数発に1回は意図しない場所に飛んでいくフライヤーがあるため根本的にあまり信頼できません。

シングルアクションでも発生する事からシリンダーの穴の個体差である可能性が高いかと思います。Xカートリッジを使用するための加工に問題があるのかもしれません。


【総評】
スピードシューティングでの使用を考えると厳しい評価を下さねばなりませんが、この銃の存在価値はそんな物で測れない事は明白でしょう。
現代の市販品ではもはや再現不可能とも思われるメッキと表面の仕上げはまさに芸術。

プラスチック素材のエアソフトガンでこの迫力を出せるのは本当に凄い技術です。

フルストロークで可動するエジェクターロッドと、それを操作することで飛び出すリアルなXカートリッジの組み合わせ。この撃てるモデルガンを手に取れば、きっとため息が出るほどの満足感を味わう事が出来るでしょう。

スピードシューティング適正は最下位でもリアリティはダントツトップ。もしあなたがこの銃をスピードシューティングで使うならば、もはやその事そのものが参加の目的でありそこに価値が生まれる。とても貴重な銃だと思いました。


【おまけ解説】
個人的にはこのおまけ解説が今回のメインです。

実は散々「M629マウンテンリボルバー」と言ってますが、実際の所はこのエアソフトガンがM629マウンテンリボルバーなのかは不明です。

見た目や各パーツの特徴からそのように判断しました。

本来のマウンテンリボルバーは名前の由来となっている高さのあるフロントサイトを搭載しているのですがこの銃のフロントサイトはかなり低くなっていて、恐らくこれを作った前のオーナーがその特徴的なフロントサイトをわざわざ加工して低くしている可能性があります。

これは、エアソフトガンのリボルバー特有の下に着弾する欠点を克服するためと思われます。

真偽は不明なのであまり鵜呑みにして欲しくは無いのですが、実銃のリボルバーは反動で銃が跳ね上がる事を考慮して狙いが下になるようにフロントサイトを高い位置で作る事が多いという噂を聞いたことがあります。

詳しい理由は定かでは無いにせよ事実として反動の一切無いエアソフトガンではリボルバー特有のサイトシステムが欠点となってしまいます。
そして、この元マウンテンリボルバー?のフロントサイトを低く下げる加工は、箱出しのスナイピングシステム(コクサイのホップアップシステムの名称)を削ってホップの効きを弱くしている事に大きな関係があるのだと思います。

実はコクサイの箱出し品のホップはかなりキツく設定されており、0.2gのBB弾ではかなり浮き上がる程と言われています。しかし、計測の通りこの銃はかなりの低初速であるため、本来は0.12~0.16g弾の使用が最適のはずですが、0.25g以上の重量弾を使わなければならないのです。

ホップは本来弾を遠くに飛ばすために採用される物なのに重量弾を使う事でただでさえ低初速な銃の初速を更に落とし、肝心の飛距離はそんなに変わらないという本末転倒な物となります。

それを改善するためにはホップを弱めて適正にするべきなのですが、すると今度はマウンテンリボルバーの特徴的な高いフロントサイトのせいで弾が下に着弾するようになります。

フロントサイトを削るという選択を行ったのはそのような経緯があるのだろうと推察しています。

確かにこの銃は、スピードシューティング適正こそ低いと言う評価が出てしまいましたが、箱出し品と比較すると遥かに使いやすくカスタムされたエアソフトガンなのだと思います。

命中精度の評価で「たまにとんでもないフライヤーが出る」と書きましたが、それはあくまでスピードシューティングで使うことを前提とした話であることを強調しておきたいと思います。

お座敷で使う事すらキツい状態から実射性能を高めて更にはXカートリッジというリアルカートリッジ仕様に改造する事まで実現させるという、この素晴らしいカスタムガンを製作された前のオーナーさんの腕の良さとカスタムにおける思想?を体感する事ができました。




【次回予告】

次回は「東京マルイ・コルトパイソン6インチ・NEWバージョン」です。最強の命中精度を誇る24連発モデル。場違いでは無いかとも思える最強の刺客がついに登場します。お楽しみに!



【結果まとめ】