こんにちは、とーるです。本日2個目の記事です。
ガスリボルバーのスピードシューティング適正を比較するシリーズ。3挺目の今回は「M29やえやまカスタム」です。
早速測定を行います。
【トリガープル性能】
M29やえやまカスタムのトリガープルは平均して約2㎏でした。前回のM19とは違いスプリングはノーマルですが、カスタムベースであるクラウンモデルM29ガスリボルバーのトリガープル自体が比較的軽めの印象がありましたので、この結果は納得です。
この機種はやえやまカスタム独自のフォーシングコーン気密システムを搭載しているため、箱出しより更に軽く感じる事でしょう。
【初速性能】
初速は平均して約64m/sといったところです。安定性が高く感じました。初速の高さはクラウンモデル特有の後込めカートリッジによるものです。
今回は金属製のオーセンティックカートリッジの弾頭をシルバー塗装した物を使用しています。
【命中精度】
ダブルアクション、シングルアクション共に安定した結果が出ています。この安定性は初期の「2点保持ホップ」によるものです。
余談ですが、このM29に搭載した「2点保持ホップ」が最初期の「自作V型ホップ」より命中精度が安定する事を見いだしたことで、飛距離を伸ばすためではなく命中精度を安定化させる事を目的として突き出し量を減らした「清流2点保持ホップ」が生まれました。
「清流2点保持ホップ」は非常に弱い縦回転を加える事で近距離に特化したホップパッキンです。
【ダブルアクション】
ダブルアクションの命中精度は非常に安定していると言えます。グルーピングは6×5.1㎝。ほぼ10㎝円内に命中する安定性を発揮しました。
【シングルアクション】
意外な事にシングルアクションの方がグルーピングが悪くなる結果となりましたが、見方によっては誤差と言って良いかとも思います。
シングルアクションでは両手の保持位置が安定するため、中央付近に集まる傾向が出ました。どちらにせよ銃そのものの命中精度と安定性は申し分ない物となっています。
【評価】
トリガープルも初速も平均的な性能ではありますが、特筆すべきは命中精度の高さで14点上回っています。
評価において最も重要視される命中精度の高さによって総合点が引き上げられている形となりました。
【やえやまの評価】
トリガープル:
シリンダーが回転して撃発前に一旦止まるまでは非常に軽く感じます。その軽さはM19の59%スプリングを超えるほどです。
しかし、撃発までの残り一押しが少し硬く感じるのが難点です。これはクラウンモデルのガスリボルバーM29シリーズの特徴なのでしょう。
せっかく2㎏という軽いトリガープルがあるのですが、その2㎏の殆どが最後の一押しに集約されているように感じるため好みが分かれるフィーリングに思います。これはある意味メリハリのあるトリガーフィーリングであるとも言えます。
撃とうと思って力を込めなければ発射されないため暴発の可能性はかなり低く、安全性が高いと考える事もできるでしょう。
初速:
クラウンモデルの持つ高初速と安定性はやはりガスリボルバーとしてはかなり優秀な部類であると言えます。着弾を音で判断するプレート系スピードシューティングにおいて有利に働く要素です。前回のM19ほど高くはありませんが、充分高性能だと思います。
命中精度:
このM29はかなり久しぶりに撃ったのですが、正直ここまでよく当たるとは思っていませんでした。 ダブルアクションで速射して10㎝円内に殆どが命中している事を考えたら、ライブカートリッジ式のガスリボルバーとしては優秀な部類に入るでしょう。
【総評】
充分スピードシューティングに適正があると言って良いと思います。測定前の印象から言うと 「S-」は高評価すぎるのではないかとも思いましたが確かに前の2機種と比べると優秀な結果で、機械的に決定される評価は間違い無さそうだと感じさせられます。
残念な点としては、M19やM586、パイソン等の38口径リボルバーと異なり東京マルイが44マグナムのエアリボルバーを出していないので、無改造で使える先込めカートリッジが無い事でしょうか。M29エアリボルバーを東京マルイが発売予定との噂を聞きましたがまだ出ていないようです。
先込めカートリッジが使えるようになればかなり化ける機種かもしれません。
【次回予告】
次回はコルトパイソンやえやまカスタムです。お楽しみに!
【結果まとめ】